世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。
第24回は、たかせ藍沙さんが房総半島で堪能した花三昧の旅について。
食用の菜の花は300円でレジ袋に詰め放題
右:メインディッシュは、ポークソテー神戸レタスのピューレと香草パン粉焼きと小鯛のレタス包み。
もうすぐ春。誰よりも早く春を感じたくて、千葉県の南房総に行ってきた。一足先に春の花が満開だという情報をキャッチしたから。しかも、眺めるだけじゃなく、食べてしまおうというのだ。東京のお隣ではあるけれど、東京が曇っていても晴天だったり、気温が2~3度高かったりと、南房総は明らかに東京都とは気候が違う。東京湾フェリーで海を渡れば、到着前からリゾート気分というもの。
フェリーが金谷港に到着したのはお昼前。まずは館山まで移動してランチをすることに。目当ては旬の神戸(かんべ)レタスを使ったコース。カジュアルにフレンチを楽しめる「トックブランシュ」のオーナーシェフは、ホテルオークラで長年腕をふるった宮澤幸治さんだ。主役になりにくいレタスを爽やかなコース料理に仕上げている。その神戸レタスのポタージュスープに黄色い花が浮いていた。聞くと食用の菜の花を開花させて飾りに使ったのだとか。メインディッシュにもラベンダー色のストックの花びらが。そのさり気なくも可憐な演出にグッときたので、菜の花を摘んでみたくなった。
鴨川市総合交流ターミナル「みんなみの里」では、食用の菜の花を摘むことができる。小さなレジ袋に詰め放題で300円。「互い違いに入れるとたくさん入りますよ」とのアドバイスをいただき、いざ、畑へ。菜の花の茎はとても柔らかいので手で簡単に摘むことができる。青々とした葉はシャキッとしていておいしそう。時々つまみ食いしながら(笑)、お浸しにしようか、パスタや炒め物もいいな、などと思いを馳せつつ、教えていただいたとおりに袋に入れたらかなりの量に。東京に戻ったら、うれしい菜の花三昧だ。
菜の花摘みが楽しかったので、次は観賞用の花を摘みに行くことに。南房総市千倉町の平磯地区には、花を栽培している観光農園がいくつもある。やってきたのは、千倉磯花会代表の坂本文蔵さんの花畑。こだわりの露地栽培だ。「やっぱり花摘みは、ハウスの中よりも外が楽しいでしょ?」と、分かっていらっしゃる(笑)。摘んだストックを抱え、花の香りに包まれながら宿泊先の旅館へと向かう。そこには楽しみにしていた花料理が待っているのだ。
東京湾フェリー
URL http://www.tokyowanferry.com/
カジュアルフレンチ トックブランシュ
所在地 千葉県館山市南条238-1
電話番号 0470-25-5524
URL http://www.toqueblanche.jp/
営業時間 11:30~14:00(ラストオーダー13:30)、17:30~21:00(ラストオーダー20:00)
定休日 月曜日(祝日の場合営業)※月1度連休
鴨川市総合交流ターミナル「みんなみの里」
所在地 千葉県鴨川市宮山1696
電話番号 0470-99-8055
URL http://www.minnami.com/
営業時間 9:00~18:00(2~10月)、9:00~17:00(11~1月)
定休日 無休
千倉磯花会
代表 坂本文蔵
所在地 千葉県南房総市千倉町平磯
電話番号 0470-43-8863
2014.03.11(火)
文・撮影=たかせ藍沙