2013年から始まった「ラテンアメリカ・ベストレストラン50」は、「世界ベストレストラン50」の南米版。過去2回、その授賞式会場はペルーのリマだったが、2015年はメキシコシティへと移った。セレモニーのクライマックスである上位10位を発表すると同時に、歴史あふれるメキシコシティの魅力と、この地の食を支える農業や市場についてのレポートをお届けする。
ラテンアメリカNo.1レストランの栄誉に輝いたのは?
「ラテンアメリカ・ベストレストラン50」の参加国は、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、チリはじめ29の国と地域にのぼる。今回、メキシコシティで行なわれた授賞式は、16世紀に建てられた学校という由緒ある建物が会場で、上位10位の発表を迎えて熱気に包まれていた。
私が食事に行った「ビコ」は10位、「プジョル」は9位。そして、「キントニール」という店が6位に入り、同時にベスト・メキシコレストランに輝いた。ということは、上位5位はメキシコ以外。発表される度に歓声が湧く。
そして、ついに1位の発表。1位は、2014年と同じペルーのリマにある「セントラル」が獲得。ペルー勢は、このほか5位に「マイド」、3位に「アストリド・イ・ガストン」が入り、相変わらずの水準の高さを見せつけた。
ベストテンは下記の通り。
- ・第1位 Central(セントラル)[リマ/ペルー]
- ・第2位 Boragó(ボラゴ)[サンティアゴ/チリ]
- ・第3位 Astrid y Gastón(アストリド・イ・ガストン)[リマ/ペルー]
- ・第4位 D.O.M.(ドン)[サンパウロ/ブラジル]
- ・第5位 Maido(マイド)[リマ/ペルー]
- ・第6位 Quintonil(キントニール)[メキシコシティ/メキシコ]
- ・第7位 Tegui(テグイ)[ブエノスアイレス/アルゼンチン]
- ・第8位 Maní(マニ)[サンパウロ/ブラジル]
- ・第9位 Pujol(プジョル)[メキシコシティ/メキシコ]
- ・第10位 Biko(ビコ)[メキシコシティ/メキシコ]
今年は50位以内に10店が入ったメキシコと11店が入ったアルゼンチン、そして10位以内に3店がランクインしたペルーが目立った。またブラジル勢は、2014年3位だった「ドン」と4位だった「マニ」がそれぞれ順位は落としたものの、順当に10位内に入賞する結果となった。
もちろん10位内に入るのはたいへんな栄誉。シェフたちにとって、「ラテンアメリカ・ベストレストラン50」に名前がエントリーされるのは、美食界での注目を浴びる大切な機会なのだ。
Latin America's 50 Best Restaurants
(ラテンアメリカ・ベストレストラン50)
URL http://www.theworlds50best.com/latinamerica/en/
2015.12.30(水)
文・撮影=小野アムスデン道子