和菓子とカクテルでほっこり

銀座 林屋新兵衛(銀座)
甘味:ミニどら焼き、抹茶葛ねり、抹茶パフェ

 頭が疲れた時にふと食べたくなるのは、抹茶パフェ。抹茶で頭をスッキリさせつつ冷たいアイスクリームでリフレッシュできる、私にとっての疲労回復スイーツです。甘味カフェならどこでも食べられるものかと思いきや、探してみると意外にないもので、いつも間違いなくオーダーできるのは「京はやしやカフェ」。母体が製茶会社の「京はやしや」のため、お茶を使ったお菓子を看板としている“茶カフェ”です。

お茶を注文するともれなく九谷焼の器で供される「ミニどら焼き」。抹茶あんと粒あんが入っています。

 「京はやしや」は、江戸時代に金沢で創業したあと、明治初期には3代目が宇治に茶園を開いた老舗で、後継者は代々、初代林屋新兵衛の名を襲名しているとのこと。その名を冠した新業態のお店が銀座にオープンしたとのことで、早速うかがってきました。

2015年7月7日にオープン。外堀通りの1本裏手です。

 なんでもコンセプトは「京都祇園の雰囲気を垣間見られるような茶カフェバー」で、甘味だけでなく、お酒やおつまみも楽しめるとのこと。さらには「銀座 寿司幸本店」「人形町今半」「おぐ羅」「レストランよねむら」など、近隣の名店から出前を取ることもできるというではありませんか!

 興味津々でお店を目指すと、資生堂ビルの真向かいに、ありました! 外堀通りの1本裏手の道路に面した入口は、完璧に「和」のたたずまい。入口にはメニューも出ていますが、中をのぞくと甘味屋さんというよりバーのような雰囲気です。そのせいか少し入りにくさもありますが、思い切って扉を開けると、お店の方が素敵なスマイルで迎えてくれます。

落ち着いた雰囲気の店内は、カウンターとテーブル席。
カウンターには「開化堂」の茶筒が並びます。

 メニューを開けば、お茶も甘いものも、よりどりみどり。お茶を注文するともれなくミニどら焼きが付いてくるので、ひとまず黒豆茶をオーダーしました。

 どら焼きのサイズによってはあとで抹茶のお菓子を注文することになるので、抹茶「天下の昔」に後ろ髪を引かれつつ、黒豆茶を選択。お茶もお菓子も抹茶だと、さすがにやり過ぎですから。ちなみに、黒豆茶は3煎までいただけるそうです。

どら焼きは店内のカウンター奥の鉄板で毎朝焼かれているそう。

 さて、ミニどら焼き。これは毎日店内の鉄板で焼いているそうで、しっとりした皮に抹茶あんと粒あんが挟まれています。ふた口で食べきれるほどのミニサイズですが、抹茶あんと粒あんのバランスが見事です。それにしても、どら焼きをかじる時に「安堵感」を覚えるのはなぜなのでしょう。初めてのカウンターなのに、早くも無防備にくつろいでしまいます……。

2015.10.07(水)
文・撮影=小松めぐみ