あの「空也もなか」を
優雅に楽しめる幸せ

パレスホテル東京 ザ パレス ラウンジ
甘味:アフタヌーンティー ~まるさんかくしかく~

2017年9月1日(金)~11月30日(木)の期間限定で提供される、ザ パレス ラウンジの「アフタヌーンティー~まるさんかくしかく~」。1名4,600円、グラスシャンパン付き6,600円(税込・サービス料別)。

 日本の伝統美溢れる塗りの重箱は、ここ数年、都心のホテルでアフタヌーンティーなどに取り入れられている人気アイテム。なかでもパレスホテル東京1Fのロビーラウンジは、重箱を使ったアフタヌーンティーの先駆者です。

窓の外に緑が広がるロビーラウンジ「ザ パレス ラウンジ」。和服のスタッフがサービスしてくれる。

 そんなパレスホテル東京と、「空也もなか」で知られる老舗和菓子店「空也」5代目の山口彦之氏のコラボレーションが実現。山口彦之氏が手がける和菓子を組み込んだ和洋折衷のアフタヌーンティーが、2017年9月1日(金)~11月30日(木)の3カ月間、「ザ パレス ラウンジ」で提供されます。

 アフタヌーンティーのテーマとして選ばれた「まるさんかくしかく」の由来は、宇宙を丸、座禅を組んでいる時の姿を三角、社会常識に囚われた心を四角で示した禅僧・仙厓住職の書「丸・三角・四角」。

 そのため空也の山口彦之氏が担当する一段目のお重の和菓子は「まる」、パレスホテル東京「グランド キッチン」のシェフ岡村英司氏が担当する二段目のお重のセイボリーは「さんかく」、同ホテルペストリーシェフ窪田修己氏が担当する三段目のお重のスイーツは「しかく」の形につくられています。

山口氏が手がける一段目(左)と最中のお重(右)。一段目の中央は季節のフルーツ、右上は「白餡のおしるこ」。餡は右下から時計回りに「ひよこ豆餡」「白玉と柑橘系フルーツ入りの餡」「ダークチョコレート餡」。

 三段重と共に出される銀色の一段重の中身は、丸、三角、四角形の最中種(皮のみ)と、「空也もなか」。パリッと焼かれた最中種にはゴマや抹茶、紫芋が練りこまれており、これに一段目の3種類の餡を組み合わせて楽しむ趣向です。

 オープンサンドのように餡をのせるのも、二枚の皮で挟むのも、食べ手の気分次第。「ひよこ豆餡」「白玉と柑橘系フルーツ入りの餡」「ダークチョコレート餡」などの斬新な餡と皮を組み合わせれば、おなじみの最中の印象がこうも変わるものかと、驚かされます。

夏目漱石の小説「吾輩は猫である」にも登場する「空也」本店は明治17年に上野池之端で創業。昭和24年に現在地の銀座6丁目に移転。屋号は、初代古市阿行氏が関東空也衆の信徒だったことに因んでいます。

 一方、銀色の一段重に盛り込まれたひょうたん形の「空也もなか」は、焦がし皮の香ばしさと北海道産小豆餡が絶妙に調和した懐かしい味わい。ほとんどが予約分で売り切れてしまうという「空也」の名物を優雅に楽しめるのも、このアフタヌーンティーの魅力のひとつです。

2017.09.13(水)
文・撮影=小松めぐみ