旅のお土産は老舗のスイートなお菓子を

 ナントのスーパーマーケットやお菓子屋さんでたびたび目にするのは、「LU」のビスケット。LUは1846年にナントで誕生したビスケット会社で、フランス国内では誰もが知る存在。工場跡地を改装したクラシカルな建物は、「ラ・フォル・ジュルネ」の会場のひとつとしても利用されている。ビスケットはアンティークなパッケージもかわいらしく、昔の広告デザインをあしらったグッズはコレクターもいるほど人気なのだそう。

昔から愛されるLU。旧ビスケット工場はアートスペースとして活用され、「ラ・フォル・ジュルネ」の会場のひとつにもなっている。

 もうひとつ、ナントで知られているお菓子屋さんが、1905年創業の「サンミッシェル」。バターの香りとほのかな塩味が素朴で美味しい薄焼きクッキーは、フランスの定番おやつでもある。旧市街で甘い香りを漂わせる店舗は、ぜひ散策の途中に立ち寄っておきたい。

ブルターニュ大公城の近くにある店舗は、赤い壁が目印。鶏のロゴが入ったパッケージが素朴でキュート。

 最近、日本のセレクトショップでも扱われ人気を集めているのが、1902年創業の老舗キャンディーショップ、「レ・リゴレット・ナンテーズ」。看板商品は、キャンディーの中にフルーツのピューレを入れた「ボンボン・リゴレット」。口に含むと、カリッとしたキャンディーの中からとろりと甘いピューレがあふれ、本物の果実のような風味が広がる。レシピは創業当時のまま。昔のデザインを施した缶もかわいらしく、大切な人へのお土産にもぴったりだ。

レモン、オレンジ、ラズベリー、カシス、パイナップルなど、ロワール産果実を使ったキャンディーは、缶入りがおすすめ。

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn/

2015.05.02(土)
文・撮影=芹澤和美