ウォーターフロントに次々と打ち上がる華麗な花火

 旧正月イベントのクライマックスともいえるのが、ナイト・パレードの翌日に行われる「旧正月花火大会」。中国式のお祝いというと、派手に爆竹を鳴らすイメージが強いが、ここ香港では、爆竹の使用は禁止されている。お正月を彩るのは、爆竹に負けない大迫力の花火だ。

毎年、2万3888発の花火が打ち上げられ、50万人近い人たちが見物に押し寄せる。

 時間はわずか23分間、日本のように一発ずつではなく、短い間に次から次へと機関銃のように打ち上がる花火が、いかにも香港らしくて楽しい。「春」「和」「8」(香港では縁起のいい数字)、「羊」といった文字仕掛けの花火にも歓声が沸いた。

ビクトリア湾と高層ビルを染める花火がみごと。花火が打ち上がるたび、あちらこちらで「ホウレンア~(きれいね~)」というため息が。

 花火が打ち上がるのは、香港島と九龍半島の間にあるビクトリア湾。3隻の船上から花火が上がるので、香港島側にいても、九龍半島側にいても、盛大な花火を楽しむことができる。見物客が集まる場所は、尖沙咀や湾仔などのウォーターフロントや中環のフェリーターミナル付近など。ホテルやレストランでディナーを楽しみながら花火を鑑賞するのも贅沢だ。

花火を観ようと、ビクトリアハーバーにはたくさんの人が集まる。

 毎年、おおいに盛り上がる香港の旧正月。ちなみに、新暦の元日はといえば、祝日でカウントダウンイベントはあるものの、あくまでもいわゆるお正月は旧正月。旧暦は毎年変わるため、旧正月の日にちも年によって異なる。ちょっと気が早いけれど、2016年の旧正月は2月8日。香港が普段とはまた違った顔を見せる、賑やかなシーズンを体験してみてはいかが?

【取材協力】
香港政府観光局
URL http://www.DiscoverHongKong.com/

キャセイパシフィック航空
URL http://www.cathaypacific.com/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn/

 

2015.03.08(日)
文・撮影=芹澤和美