星のや 軽井沢(後篇)

 温泉を備えた和の宿の魅力を追求する「旅館道」シリーズ。「和心地」な温泉旅館をコンセプトとする星野リゾートの「界」と「現代を休む日」をコンセプトにした和のリゾート「星のや」の中から、今回は「星のや 軽井沢」での食の楽しみと軽井沢「星野エリア」の様々なグルメを紹介します。

食の楽しみ その1
「四季折々の信州の食材をふんだんに用いた『山の懐石』」

「嘉助」の先付は、リンゴの中に入った根セロリのおとうふ。カシューナッツやクルミも使って、もちもちした中に香ばしい味わいも。

 軽井沢のラグジュアリーな宿「星のや 軽井沢」では、宿泊料金には食事が含まれていない。だからこそ食事のオプションをいろいろに楽しめる。前回は、ボキューズ・ドール国際コンクール上位入賞などフランス料理界に旋風を起こした浜田統之シェフの「ブレストンコート ユカワタン」のディナーを紹介した。

 対して「星のや 軽井沢」のメインダイニング、日本料理「嘉助」では、ひとひねりある和食を朝・夕と楽しめる。まず、「山の懐石」という夕食は四季折々に信州ならではの食材を中心に自然を調理したとも言えるコースで、その見せ方も見事だ。初冬の献立からピックアップしていくつかを写真でご紹介したい。

強肴は、干し野菜の吹寄せ鍋。ウナギとカブの出汁に野菜の旨味が染み出てくる。
焼き八寸の星のや冬の肴は、何から箸を付けるか迷う楽しい一品。民家をかたどった器に入るのはクリタケと白舞茸と菊菜のおひたし。
最後に出る大根ご飯は、炊き上げた白ご飯に大根を混ぜてカラスミをのせる。フレッシュな味わいがいい。

※各メニューに関しては、入荷の状況次第で異なる食材を用いる可能性があります。

2015.01.11(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵