フレンチにカレー、ワインにショコラ……。誰もが一度は憧れる、マンガの中のキラキラごはん。

 ここではそんな、おいしいマンガをジャンル別に徹底ガイド! 選者は、物語の食演出をフード理論として分析する福田里香さん。お菓子研究家の彼女が、食のプロの視点で選ぶFOODマンガベストとは?

» 第1回 フード理論マンガ
» 第3回 家ごはんマンガ
» 第4回 フードバトルマンガ

 マンガの食エッセイは、文章のそれに比べ、実録テイストのものが多い印象。成功ではなく、どう失敗したか? を描いた作品というか。マンガ媒体の特性で、絵で動きや形をダイレクトに伝え、添えた台詞の間が笑いを誘う。他人が味わったトライ&エラーを楽しむ作品群。だから身近に感じて共感を得るのだと思う。

『おしゃべりは、朝ごはんのあとで。』

旅にはおいしい朝ごはんがつきもの

 家に引きこもりのマンガ家が編集さんにそそのかされて、絶品朝ごはんを求めて旅に出た。パリのラデュレで濃いオムレツ、京都の料亭の朝がゆ、築地の食堂、ハワイの朝市……女子の憧れの旅先ばかり。旅心を食欲でそそる点で、凡百のガイド本より断然上質だ。

『おしゃべりは、朝ごはんのあとで。』
秀良子 小学館 全1巻 648円
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2014.08.23(土)
文=福田里香

CREA 2014年9月号
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この記事の掲載号

おいしい読書

CREA 2014年9月号

食の本大特集 おなかがすいたら
おいしい読書

定価780円