フレンチにカレー、ワインにショコラ……。誰もが一度は憧れる、マンガの中のキラキラごはん。

 ここではそんな、おいしいマンガをジャンル別に徹底ガイド! 選者は、物語の食演出をフード理論として分析する福田里香さん。お菓子研究家の彼女が、食のプロの視点で選ぶFOODマンガベストとは?

» 第2回 フードエッセイマンガ
» 第3回 家ごはんマンガ
» 第4回 フードバトルマンガ

 食べ物は物語の演出上、感情の機微を伝える装置として機能し、キャラの特性を表すアイコンとなります。私はこれらの現象を総称して「フード理論」と呼び、原則として「1.善人はフードをおいしそうに食べる、2.正体不明者はフードを食べない、3.悪人はフードを粗末に扱う」と定義しました。まずは主題が食に無関係な作品を、フード目線で鑑賞してください。必ずおいしい発見があるはずです。

『3月のライオン』

もはや新手の傑作料理本の域

 少年プロ棋士・桐山零の勝負と日常食を描く。対戦の合間に差し挟まれる料理がとにかくうまそう。和菓子・ふくふくダルマ、甘やかしうどん、川本姉妹のカレー……マンガ内の料理に感化されて、実際に作った読者は数知れない。大好物の着物&メガネ男子も満載。

『3月のライオン』
羽海野チカ 白泉社 1~9巻 467円~486円
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2014.08.21(木)
文=福田里香

CREA 2014年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

おいしい読書

CREA 2014年9月号

食の本大特集 おなかがすいたら
おいしい読書

定価780円