フレンチにカレー、ワインにショコラ……。誰もが一度は憧れる、マンガの中のキラキラごはん。

 ここではそんな、おいしいマンガをジャンル別に徹底ガイド! 選者は、物語の食演出をフード理論として分析する福田里香さん。お菓子研究家の彼女が、食のプロの視点で選ぶFOODマンガベストとは?

» 第1回 フード理論マンガ
» 第2回 フードエッセイマンガ
» 第3回 家ごはんマンガ

 食べ物を粗末にしてはいけないが、マンガだもの、おおいに妄想の羽を伸ばすのもアリだと思う。中でも突出したジャンルが「フードバトル」。食べ物でよくこんな自由な設定が思いつくな~、と感嘆する名作多数。食べ物の世界で完全に遊んでいるのだ。一番おいしいのは人間の脳じゃないかと不安になるくらいおもしろい。

『極道めし』

人類の想像力へ賭ける料理対決

 マンガの中で各自が味の記憶を物語り、グルメバトルの勝敗が決まる入れ子構造。この手があったか! と脱帽。収監された受刑者たちが刑務所で出るご馳走を賭け、人生で一番旨かった料理の話で勝負。話を聞いて「ごくっ!」と喉が鳴ったら負けとか、天才設定!

『極道めし』
土山しげる 双葉社 全10巻 各600円
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2014.08.26(火)
文=福田里香

CREA 2014年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

おいしい読書

CREA 2014年9月号

食の本大特集 おなかがすいたら
おいしい読書

定価780円