フレンチにカレー、ワインにショコラ……。誰もが一度は憧れる、マンガの中のキラキラごはん。

 ここではそんな、おいしいマンガをジャンル別に徹底ガイド! 選者は、物語の食演出をフード理論として分析する福田里香さん。お菓子研究家の彼女が、食のプロの視点で選ぶFOODマンガベストとは?

» 第1回 フード理論マンガ
» 第2回 フードエッセイマンガ
» 第4回 フードバトルマンガ

 常に家で食べたい派、あるいは食べたくない派のあなたも読んでおいて損がないのが、家ごはんマンガ。自炊が苦手なひともストーリーに乗せて説明されると「こんなふうに時間を見つけて作るんだ」と目からウロコだったり。また、キャラクターへの憧れから自分で作ってみたくなったり。感情が動くと食生活も変化しますから。

『おんなのいえ』

最後の砦、女家族の奮戦記

 有香(29)は3年物の彼氏に振られ、残ったのは母と妹だった。そんな“おんなだけ”の家族物語に、食事描写がさりげなく絡む。1巻表紙はテーブルに立て膝で揚げセンを頰張るヒロイン。なによりも雄弁に物語る現状がどう変化するのか? 読まずにはいられない。

『おんなのいえ』
鳥飼茜 講談社 1~4巻 562円~581円
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2014.08.25(月)
文=福田里香

CREA 2014年9月号
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この記事の掲載号

おいしい読書

CREA 2014年9月号

食の本大特集 おなかがすいたら
おいしい読書

定価780円