“他所(よそ)様に見せたらダメだった”
「あの……やっぱり、人に見せたらダメだったみたいで……」
翌日、顔を合わせるなりそう言ってきたOさんは、やけに意気消沈している様子でした。
「さっき大家さんが来て『他所(よそ)様に見せたらダメですよ!』『君のせいでやらなきゃいけないことがあるから、20分くらい外に出ていて。あと、見せたご友人も呼んできてほしい』って言われちゃって」
ひとしきり文句を言ったFさんでしたが、そもそも行きたいと言い出した責任も感じ、結局、Oさんに連れられて再びアパートに行くことになったのです。
「おい、あれ……」
アパートの前まで来たとき、2階のOさんの部屋の扉が開いたままなのが見えました。
無言のまま互いに顔を見合わせた2人。
姿の見えない危険がいつの間にか自分たちを取り囲んでいるような不安を覚えつつ、ゆっくりと部屋の中を覗き込むと――。
大家夫婦がクローゼットの奥の開け放たれた木箱に向かって、床に額を擦り付けて土下座をしていました。
「うっ……!!」
思わず絶句して後ずさりしたOさんは、隣のFさんを押し戻しながら慌てて外階段を下ると、道路を隔てた道の脇まで引き返しました。
「あ……あれ、大家さんです……でも、なんであんなことしてたんだか……」
「……絶対まともじゃないって。つーか、なんで俺たち呼びつけたん――」
Fさんが膝に両手をついて冷や汗をかいていると、Oさんが急に彼の肩越しに見えた光景に慄いて声をあげました。
「せ、先輩、あ、あれ……!」
