放送後にファンが小説形式でリライト記事を投稿してその人気を拡散していくことでも知られる、生配信サービス「TwitCasting」の怪談番組「禍話(まがばなし)」。10周年という節目の今年は、ベストセラー怪談作家たちをゲストに呼んだトークライブを開催するなど、これまで以上に精力的に活動しています。

 今回はそんな禍話から、バブル期に建てられたとある式場の廃墟に足を運んだ大学生たちに忍び寄る、おぞましい出来事をご紹介します――。

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静寂に響く“シャッター音”

「写真撮ってもいいですかぁ~」

 ガランとした式場にいたIさんの背後から響いてきた誰かの声。

 ビクッと肩をすくめながら振り返って懐中電灯で扉を照らしたIさん。

 錆びつき、少し開いたままになっていた重い扉の向こうから聞こえたその声は、妙に間延びしているような響きでした。

 次の声が聞こえてこないかと身を固めていましたが、代わりに聞こえてきたのは携帯電話のカメラ機能のシャッター音でした。

 カシャッ! カシャッ! カシャッ!

 一体、何が起きているんだ……――答えの出ない静寂と恐怖に耐えられなくなったIさんが、ギギギッ……と錆びついた式場の扉を開けると、方々から懐中電灯の明かりが近づいてきているのがわかりました。皆、Iさんと同じようにあの声とシャッター音を聞きつけて戻ってきたようでした。

 大階段を駆け下りながら、階下に集合した友人たちに今しがた耳にした奇妙な音のことを話すと、皆の表情が一様に青ざめていきました。

「お前らも、あの声聞こえたの?」

「うん」

「聞こえた……」

「携帯のシャッター音もしたよね……」

 皆がこの不可解な現象に戸惑っていると、それまで口を閉ざしていた男性メンバーのTさんが、懐中電灯の明かりをとある方向に向けながらこう言いました――。

「向こうから聞こえた」

 彼が照らしたのは、1階ロビーの大階段の脇にある、別館B館へ続く大きな通路でした。

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