お役立ちグリーン

搾った後のレモンやハーブの茎や枝、葉っぱなどは捨てずに再利用。ネットやさらしで包んで、お風呂に入れると薬効もあるし清々しい香りを放って、それだけで豊かな気分。

 庭やベランダガーデンニングにおすすめしたいのが、レモン、月桂樹、ローズマリーなどの庭木。虫がつきにくくて育てやすく、香りがよくってなにかと暮らしに役立つので、自分で育てると重宝します。

 レモンなどの柑橘類は、体にもよくて毎日の料理に欠かせません。自家製は皮まで使えるのが特典。たとえばパスタや麺に食べる直前にレモンの皮をすりおろせば、爽やかな風味がごちそうになります。

 月桂樹は枝ごと摘んで束ね、ドライリースにしてキッチンのすみっこに提げておくと便利です。ドライの葉を鍋にたくさん敷きつめて、ソーセージを蒸すと、お安いソーセージがまるでこだわりハム工房のような高級感あふれる味に格上げ。これぞ月桂樹マジックです。

 ローズマリーは料理にも家事にも使いやすい働きものハーブ。ときどき、私は自然系の洗濯液にローズマリーの枝を1本入れておいて、フレッシュなアロマの恵みを活かします。

石村由起子 (いしむら ゆきこ)
奈良在住。全国からファンが訪れるカフェギャラリー『くるみの木』と、ミシュラン一つ星のホテルレストラン『秋篠の森 「なず菜」』のオーナー。
暮らしを楽しむ祖母の知恵にくるまれて育ち、学生時代には染織を学び、民藝を入口に手仕事に精通。自らのショップで展開する、暮らしの道具のセレクト眼にもファンが多い。さらに近年は、生活プロデュースの視点での商品開発、街おこしプロジェクトなど幅広い分野からオファーが引きもきらない。著書に『私は夢中で夢をみた』(文藝春秋)、『奈良・秋篠の森「なず菜」のおいしい暮らしとレシピ』(集英社)など多数。HP 「くるみの木」 http://www.kuruminoki.co.jp

Column

石村由起子の暮らしの“ツカミドコロ”

石村由起子さんといえば、人気のクラフト作家や料理家、エッセイストなど生活美学のある人たちが一目おく、暮らし上手です。
祖母から受け継いだ知恵と礼節、愛するモノを捨てずに活かすワザ、「これだけは」と手をかけてきた習慣など、多忙な日々のなかでも心豊かに暮らすために石村さんが「大切にしてきた」視点とアイディアを、CREA WEB読者に指南。年齢をこえて共感できるチャーミングな暮らし術を、プライベートフォトを添えて綴ります。

2014.07.21(月)
文・構成=おおいしれいこ
撮影=石村由起子