タイ、特にバンコクは何度行っても好きになる街だ。人が優しく、食べ物が圧倒的においしい。パパイヤサラダ、グリーンカレー、マンゴースティッキーライス。モールのフードコートでも、千円ほどで十分満足できる。ホテルも移動もリーズナブルだ。

 マヨルカ島は、人の好さが印象に残っている。損得勘定抜きで助けてくれる人が多い。南国に行くとホッとするのは、屋久島出身の母の影響かもしれない。

まずは一歩を踏み出すこと

 旅をするたびに、自分が更新されていく感覚がある。興味がなかった場所を好きになり、価値観が少しずつ変わっていく。行動したからこそ見える景色があるのだ。

 「やりたいことがわからない」「時間がない」「お金がない」と感じている人にこそ伝えたい。完璧な準備はいらない。考えすぎると、人はやらない理由を探してしまう。まず動く。一歩を踏み出すこと。その一歩が、次の景色と新しい自分に出会う扉を開く。

 人生は一度きりだ。動かなければ、何も始まらない。

 旅は僕に「自分らしさ」を取り戻させてくれた。今しかできないことに、お金と時間を使う。その選択を、これからも続けていきたい。行きたい場所があるなら、理由を探す前に、まず歩き出してほしい。動いた先にしか、出会えない景色があるのだから。

 旅は未来の自分への投資――人生を豊かにしてくれる旅の価値は計り知れない。

與真司郎(あたえ・しんじろう)

1988年、京都府生まれ。14歳のときにエイベックスに入り、2005年に結成した男女混合のパフォーマンスグループ「AAA(トリプル・エー)」のメンバーとしてデビュー。2016年、ソロ活動開始と同時にロサンゼルスに移住。大学に通いながら約9年間を過ごす。2021年、AAA初となる6大ドームツアーを終えたタイミングでグループは活動休止に。2023年7月、「與真司郎 announcement」にて、自身がゲイであることを公表。著書に『すべての生き方は正解で不正解』『人生そんなもん』(ともに講談社)がある。

最初から記事を読む 「当時は英語もろくに話せなかったけれど…」AAA・與真...