今年で52歳を迎えたフリーアナウンサーの住吉美紀さん。NHKを退社してフリーに転身し、ヤバすぎる元カレとの恋愛、心が乾き切った40代での婚活、壮絶な不妊治療などを経験してきた。
そんな住吉さんが自身の経験を赤裸々に綴った著書『50歳の棚卸し』(講談社)を上梓し、反響を呼んでいる。ここでは同書より一部を抜粋し、住吉さんが経験した愛猫の介護と別れを紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く)
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4匹でなく4人と呼びたいくらいの愛猫たち
子のない人生にとっての家族、という話をしてきたが、忘れてはならないのが愛猫たちである。昨年亡くなった長女ネコのさとみを含めると、我が家族としてのネコが4匹。4匹でなく4人と呼びたいくらい、人間に負けず劣らずの家族体験を、私の人生にもたらしてくれている。
まずは紹介しておこう。
長女ネコのさとみは、ブラウンタビーのハチワレ。種類はトルコの国猫でもあるターキッシュアンゴラという、サラサラヘアの長毛種。凜とした気品があり、アーモンド形の大きな目の奥に知性を感じる、とても賢い子だった。
あとの3匹は、ラパーマという、天然パーマのように毛がくるくるの、人懐っこい長毛種だ。
長男のくろすけはその名の通り黒ネコ。怖がりだが、おっとりとしている。そして、生まれつきの横隔膜ヘルニアだ。横隔膜に穴があり、そこから小腸が上にはみ出し、心臓の周りにぐるぐる巻きになっている。1歳の時たまたま撮影したレントゲンで判明した。
治療のため肋骨を開く大手術を施すべきか、何日も悩んだが、それまでくろすけが元気に育っていたことに命の神秘を感じ、しないと決めた。現在14歳、元気に生きてくれていることに、いつも感謝の念がわく。
次男のびすけは、私たち夫婦が不妊治療をやめて、子のない人生を生きようと決意した頃、うちに来てくれた茶トラだ。ひとりっ子として生まれたそうで、それもあってか、他の子たちと群れずマイペース、主張のたいへん激しい甘えん坊だ。
夫を完全に執事のように扱い「ホレ撫でろ」「ホレ遊べ」とニャーニャー命令するが、夫も満更ではなさそうにそれを受け入れ、“ネコかわいがり”している。二人はすっかり相棒同士だ。
最後、次女のブラウンタビー、珈美ちゃんは、私がコロナに罹患し、ちょうど入院している間にこの世に生まれてきた。縁を感じ、うちに迎えた。体はとってもちっちゃいが、うちで一番やんちゃでいたずらっ子、でもかわいいから何でも許されちゃう、愛嬌たっぷりの愛されキャラだ。
              