アール・デコ博覧会で世界中の人々を魅了
「アール・デコ」とは、1910~30年代にかけてヨーロッパを中心に工芸・建築・絵画・ファッションなど全分野に波及した装飾様式の総称。アール・ヌーヴォーの曲線的な表現やパステル調の色彩とは対照的に、幾何学的な造形やシンメトリーな構成、強い色彩のコントラストが特徴とされる。
展覧会の第1章「アール・デコの萌芽」では、アール・デコ期に制作されたジュエリーを展示している。
一番初めの展示室である小客室では、壁面を彩るアンリ・ラパンの油彩画と、エメラルドやダイヤモンド、オニキスで構成された3つのジュエリーが見事に調和しており、訪れる人をアール・デコの世界へいざなう空間となっている。
アール・デコ期において、バラは象徴的なモチーフのひとつ。大食堂では本展のハイライトでもある《絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット》や《ローズ ブローチ》などが展示されている。バラのつぼみ、葉、棘などバラの持つ有機的な曲線や形を幾何学的に様式化することで、アール・デコの美学が感じられる。
