
ウブド王宮から北へ車で約30分、ライステラスが有名なテガラランの近くに位置する、芸術の村「ケリキ」。ここまで離れると、ウブドの賑わいも薄れ、熱帯雨林の緑の濃度もグッと増してきます。空気の中に何かスピリチュアルな物質でも混じっているんじゃないか? そんな雰囲気です。

開業以来、海外の旅行誌のアワードの常連組である森のリゾート「カペラ・ウブド」。ウォス川の渓谷の地形を活かした3.5ヘクタールの敷地にリゾートは展開しています。
手掛けたのは、トロピカル建築の鬼才ビル・ベンスリー。コンセプトは“1800年代、ヨーロッパからバリ島へやってきた、初期の入植者たち”。バリ島にはいろんなコンセプトのリゾートがあるけれど、さすが目の付けどころが違います。

ヴィラは2ベッドルームロッジが1棟と、22棟の1ベッドルームテントの全23棟。テントといっても広さが173平方メートルもあり、プライベートプール付き。私たちになじみのあるテントとはスケールが違います。1ベッドルームテントはデザインは同じながら、バレー、リバー、レインフォレスト、テラスの4つのロケーションがあります。
各テントは開拓時代のキャンプ生活をイメージしたデザインになっています。たとえば、キャプテン、博物学者、地図製作者、写真家、建築家など、当時の入植者たちをテーマに、一棟ずつその世界観に則した家具やアートワークが選ばれています。


室内は遊び心のかたまり! ミニバーは巨大なトランク(ノンアルコールとスナックは毎日、補充されます)、フックは猿、トイレの便座は玉座のようで、頭上から垂れた紐を引っ張って水を流します。「航海者」というテントに泊まったのですが、シャワーヘッドは大輪の花、真鍮をハンマーで叩いて造ったバスタブはカラダを沈めるとザパーッと豪快にお湯があふれます。
アンティーク家具やアート作品、書物、ファブリックなどの装飾品は、建築家ビル・ベンスリーとリゾートのオーナーが海外のオークションやインドネシア各地を回って集めたそうです。

ちなみにチェックイン時に「キャンプに必要なものです」と渡されるダッフルバッグ(小さなリュック)には、虫よけや絆創膏、リゾート内のマップなどが入っています。このバッグはお土産に持ち帰りOKです。