イスタンブールのトップホテルは、ロケーションが素晴らしいボスポラス海峡沿いに集中している。

　そのなかでラグジュアリーと秀逸なホスピタリティーを兼ね備えた「ザ・ペニンシュライスタンブール」を紹介する。

歴史ある旅客ターミナルが優美に生まれ変わった

角部屋の“プレミア ボスポラススイートウィズバルコニー”6,200トルコリラ～。頻繁に行き交う船を眺める楽しみも。
角部屋の“プレミア ボスポラススイートウィズバルコニー”6,200トルコリラ～。頻繁に行き交う船を眺める楽しみも。
すべての写真を見る

　ボスポラス海峡の向こうに、トプカプ宮殿、アヤソフィア、ブルーモスクといったイスタンブールを代表する美景が望めるロケーション。14世紀ごろにできたガラタ港内のウォーターフロントに2023年に誕生した「ザ・ペニンシュライスタンブール」は、歴史ある地に新たなストーリーを築いている。

　歴史的建造物を改装した3棟と新設された建物から成り、その一つが船の旅客ターミナルだった建物。シンボル的な時計台を残し、中にはザ・ペニンシュラホテルズのシグネチャーであるロビーを配する。

ロビーの上層階を飾るランタン型のシャンデリアは、特殊加工されたガラスとアンティークのブロンズを組み合わせたもの。
ロビーの上層階を飾るランタン型のシャンデリアは、特殊加工されたガラスとアンティークのブロンズを組み合わせたもの。
第2、第3ビルを結ぶクラシカルな廊下。一部の床には昔のタイルが使われている。
第2、第3ビルを結ぶクラシカルな廊下。一部の床には昔のタイルが使われている。

　バウハウスの面影を残すフロアにはチェコのトップガラスメーカーにオーダーした繊細なシャンデリア、布の織りのように紡がれたガラスパネルといったクラフトマンシップが息づいている。

　海峡に面した客室で過ごす時間は、朝夕で表情を変える海の美しさに浸ることができ、大都会にいながらリゾートで過ごすような優雅さ。

気品あるベッドルーム。フロントへの連絡などはすべて自社開発のタッチパネルで。
気品あるベッドルーム。フロントへの連絡などはすべて自社開発のタッチパネルで。
オリジナルアメニティは現地フレグランスキュレーターがこの地だけの香りを調香。容器はリサイクル可能なアルミ素材を使用。
オリジナルアメニティは現地フレグランスキュレーターがこの地だけの香りを調香。容器はリサイクル可能なアルミ素材を使用。
トルコを代表する写真家アラ・ギュレルの作品も展示。
トルコを代表する写真家アラ・ギュレルの作品も展示。

　海とシームレスな屋外プールや伝統的なハマムといったウェルネスの充実ぶりも魅力だ。この街の食の新潮流を生むメインダイニング「ガラダ」など、次なる時代を作るアイディアとホスピタリティを体験したい。

The Peninsula Istanbul（ザ・ペニンシュライスタンブール）

第3ビルの外壁には55,000枚のタイルが使われ芸術的な建物として知られている。
第3ビルの外壁には55,000枚のタイルが使われ芸術的な建物として知られている。

所在地　Karaköy, Kemankeş Karamustafapaşa Mahallesi, Kemankeş Caddesi No: 34, Beyoğlu, İstanbul
電話番号　0212 931 28 88
客室数　177
料金（1室）　700トルコリラ～
https://www.peninsula.com/ja/istanbul/5-star-luxury-hotel-bosphorus

次のページ多彩なトリートメントメニューで心身を整えてくれるスパ

2025.07.10(木)
文＝梅崎奈津子
写真＝杉山拓也
コーディネイト＝松井和花

CREA Traveller 2025年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

麗しのトルコ イスタンブール

CREA Traveller 2025年夏号

麗しのトルコ イスタンブール

特別定価1,700円（税込）

詳細を見る
梅崎奈津子の記事一覧へ