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 13歳で鮮烈なデビューを果たしてから25周年を迎え、パワーを持つ歌声と、自由な表現でジャンルや国境を軽やかに飛び越えてきたCrystal Kayさん。音楽のストリーミング文化全盛の時代、世界中で音楽が楽しめるからこそ、彼女が胸を張る“デビュー当時から変わらぬスタンス”を伺いました。


ストリーミングのおかげで中学生の頃から夢見ていた環境に

――デビュー25周年おめでとうございます。25年という月日の中で、Crystal Kayさん自身はもちろん、社会情勢も大きく変化しました。どのような点に一番変化を感じていらっしゃいますか?

 音楽の聴かれ方です。日本は世界的にも珍しく、まだCDが売れる国でもあるんですが、ストリーミングの文化が広がったことで私がデビュー当時から思い描いていた理想の世界に近づいた気がしています。

――どのような世界を目指していたのでしょうか。

 人種や住んでいる地域関係なく、様々な方が気軽に私の曲を聴けるような環境を目指していたし、夢見ていました。やっぱり今までは、日本でのマーケットを意識して音楽を作らなくてはいけなかったんですが、ストリーミングが広がったことによって、世界中の人たちに聴いてもらえるようになりましたよね。最高の変化です!

 また、気になったらすぐにスマホで聴ける環境が整ったことで、若い子たちも音楽好きの子が増えたように感じます。みんな、アイドルの楽曲やKPOPも聴くし、ゴリゴリのHIPHOPも分け隔てなく聴いています。ジャンルにとらわれずに色々な音楽を楽しむ層が広がっているのを実感しています。ジャンルの境界線がなくなった気がして嬉しいですね。

――CDショップで試聴してから、店員さんのおすすめを買って家で楽しむという時代からすると、音楽へアクセスしやすくなりましたよね。自身も普段聴く音楽のジャンルは広がりましたか? 最近、お気に入りのアーティストがいたら教えてください。

 もともとオールジャンル聴いていたから、特段広がってはいないかなぁ。でも、アクセスしやすいおかげで、お店やクラブで聴いてかっこいいなぁと思ったトラックをパッと検索して見つけてプレイリストに入れられるので、そうやってダンスミュージックやインストだけのトラックとかもっと聴くようになったかもしれません! 

 最近はタイラー・ザ・クリエイターをよく聴いています。新しいアルバム、めっちゃかっこいいですよ!

2025.06.25(水)
文=高田真莉絵
撮影=平松市聖
スタイリング=角田今日子(ポストファウンデーション)
ヘア=遠田眞里