この記事の連載

今も昔もタイムレスな音を作りたい気持ちは揺るがない

――25年のキャリアを経て、変わらず大切にしている考えや心掛けはありますか?

 自分に嘘をつかないことですかね。嘘をつくと結果、どんどん苦しくなってしまうので。

 あと、13歳でデビューした時から、胸を張って良いといえる音楽やタイムレスな音を作りたいと思い続けています。もちろん当時は「タイムレス」なんて言葉は知らなかったけど、その頃から世界中の人たちが聞いても恥ずかしくない、かっこいいサウンドにしたいって気持ちを持っていました。

 うちの母親、シンガーなんです。だからか様々なジャンルの音楽がずっと流れているような環境で育ったので、幼いながらも音楽へ対する真摯な意識を持てたのかもしれません。

 デビュー当時のCMソングを制作してくれたチームが次のアルバムにも関わってくれたのも初期のキャリアにおいては大きかったですね。音楽センスに溢れている大人たちが、サポートしてくれる環境に身を置けたのはとても恵まれていたと思います。

――歳を重ねる上で、年下の世代と一緒に仕事をする機会も増えてきたのではないでしょうか。若い世代とコミュニケーションをとる上で気をつけていることはありますか?

 褒めることは大切にしていて、「ここが良かったよ」と具体的に伝えています。評価されるってシンプルに嬉しいじゃないですか。自分がされて嬉しいことはまわりの人にもしていきたい。でも、今はアーティスト性や個性が強い子が多くて、みんな「自分」をしっかりと持っているので「大きなお世話」って思っているかもしれませんが(笑)。

【後篇】Crystal Kayが明かす、ニューヨークでの“挫折と転機”「成功体験の積み重ねでルーツの捉え方も変わりました」

Crystal Kay

1999年「Eternal Memories」でデビュー。2002年10月に発売した3rdアルバム『almost seventeen』は、オリコンチャート初登場2位という快挙を成し遂げ、「Boyfriend -partII-」「恋におちたら」などのヒット曲で大ブレイク。近年は2019年・2022年に上演されたブロードウェイミュージカル「ピピン」に出演、第27回読売演劇大賞 優秀女優賞受賞。2023年映画「白鍵と黑鍵の間に」への出演、2024年8月~9月には日米合作ブロードウェイミュージカル「RENT」に出演するなど、演技にも力を入れているほか、バラエティー番組に多数出演する等、さらに活躍の場を広げている。

▼新譜情報

『ALL TIME BEST 25th Anniversary』

25周年を迎え、大ヒット曲「恋におちたら」「Boyfriend -part II-」など4曲の再録を含む全32曲を収録したCrystal Kayにとって初のオールタイムベストアルバム。

【初回限定盤】

2CD+Blu-ray+トレカ5枚セット+三方背スリーブケース TYCT-69353 6,900円
2CD+DVD+トレカ5枚セット+三方背スリーブケース TYCT-69354 6,900円

【通常盤】

2CD TYCT-60248/9 3,900円

次の話を読むCrystal Kayが明かす、ニューヨークでの“挫折と転機”「成功体験の積み重ねでルーツの捉え方も変わりました」

2025.06.25(水)
文=高田真莉絵
撮影=平松市聖
スタイリング=角田今日子(ポストファウンデーション)
ヘア=遠田眞里