昭和時代の料理とは何か?
「私が思うに、昭和時代の料理界はグルメ激動の歴史です。私自身、戦後日本の最もホットなバブル期をプリンスホテルのシェフの一人として過ごせましたし、流通の発展によって多くの海外食材が鮮度の高い状態で使えるようになりました」

景気が上がれば外食も盛んになり、珍しい料理、貴重な食材が海外・現地に行かずとも日本で楽しめるようになる、その始まりが昭和時代だった。思えば料理漫画の代名詞『美味しんぼ』の連載開始は1983年(昭和58年)。美味=グルメという言葉が一般に普及したのもこの昭和最盛期だったのだ。
「昭和時代の良いモノづくりのように贅沢に素材を使い丁寧に作る。私自身そうしたグルメ体験を提供できたことに対して感謝の気持ちでいっぱいです。現在ではなかなか巡り合えない特別な食体験の機会として、『昭和100年メニュー~記憶に残る一皿~』を楽しんでいただけるのなら嬉しいですね」
レトロではあるが「あの頃はよかった」だけではないホテルグルメの現在進行形。違いのわかるみなさん! “あの頃のホテルグルメ”で、美味しいレトロの味くらべはいかが?

「昭和100年記念メニュー~記憶に残る一皿~」
昭和の時代に人気を博した西洋料理、日本料理、中華料理、スイーツのメニュー全27品を提供。全国33施設・64レストランで、2025年6月6日(金)~2026年12月31日(木)まで実施。※各ホテル・施設により提供期間が異なる。
https://www.princehotels.co.jp/contents/showa100th/memorial-menu/

2025.05.31(土)
文=前田賢紀