ずばりこれが必食メニュー!

 メニューを大別すると、まず下井シェフのこだわりが詰まった「レストランコース」。迷ったらこれ、というど真ん中だ。

 次いで「婚礼コース」。新郎新婦が親族や来賓客とハレの日に楽しみたいコース(1名2万7,500円~)である。

 加えてアラカルト全27メニューもスタンバイ! その中から必食メニューを3品紹介しよう。

 まず「シーフードドリア」。これは東京プリンスホテル90年代の看板メニューで、全盛期には1日200件もの注文があったという伝説の逸品だ。「日比谷通りに面した開放感あふれる店内で、熱々のドリアを頬張る姿が多くみられました。このドリアは時間が経っても冷めないんですよ!」と下井シェフ。

 次に「自家製コンソメのパイ包み焼」。下井シェフ曰く「もはや何も変える必要がない完成された料理ですね。パイを開いた時に香りがふわっと広がり、周囲のテーブルの方が『私にも』とオーダーされることがよくありました。『家庭で作るコツはありますか?』と尋ねられた時には『家庭では難しいので食べにいらして下さい』と答えます(笑)」。

 3品目が「国産牛フィレ肉のポワレ ロッシーニ仕立て」。「定番中の定番。牛フィレ、フォアグラ、トリュフ、こんな贅沢な組み合わせはありません。私が入社した80年代中頃は日本では生フォアグラがなかなか手に入らず缶詰でした。あの頃はガチョウ、今はカモですが、いつまで食材として使えるかわかりませんね」

2025.05.31(土)
文=前田賢紀