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警察官のスヨンがお金を取り戻すのはなぜ?

 『リボルバー』に関しては、序盤から物語が大きく展開していきます。その中で私が演じた警察官のスヨンは、あることで騙されて刑務所に入ることになり、そのときに得るはずだったお金を、出所後に取り戻しに行くんですね。

 そのお金というものに関して、「スヨンが、そこまでして命を懸けて取り戻すほどのものなのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。お金を取り戻すために、いろんな人たちとスヨンは出会って、そして戦うわけですけど、彼女がそのときに考えていることとは、何もお金のことだけではなく、自分の価値を認めてほしい、自分の尊厳を取り戻したいということが大きかったのではないかと思うんです。

 自分を守りたいという気持ちもあったのかもしれません。そんな気持ちで演じていますので、観客の皆さんにも、いろんなことを見て感じてほしいと思っています。

――イ・ジョンジェさんとの共演はいかがでしたか? 出番時間自体は決して多くはないのですが、スヨンを翻弄する印象的な役を演じられていましたね。

 イ・ジョンジェさんとは以前、『ハウスメイド』(2010年)という作品で共演してことがあったんです。実は、その後に『無頼漢』でもご一緒するかもしれないという話もあったんですが、イ・ジョンジェさんが当時、怪我をしてしまって共演が叶わなかったんです。

 でも、その後もイ・ジョンジェさんがオ・スンウク監督とぜひ仕事をしたいと考えていたようで、今回の出演に至りました。私としても、とてもありがたかったです。イ・ジョンジェさんが出演してくださったことで、私が演じたスヨンの過去のストーリーにも深みが出たと思っています。

――アンディという謎の多い役を演じられたチ・チャンウクさんに関してはいかがでしたか?

 チ・チャンウクさんとは今回が初共演だったんですね。今回『リボルバー』で共演してみて、たくさんのエネルギーを持った俳優さんだなと思いました。チ・チャンウクさんの演技を見て、私自身もたくさんのインスピレーションを受けました。演じていて、感情の触れ合いがあったとでも言いましょうか、気持ちが伝わってくるような瞬間が沢山ありました。

 チ・チャンウクさんが演じたアンディという役と対峙することで、私もスヨンというキャラクターに向き合うことができ、キャラクターをより具現化させることができました。今回の映画での関係性は、ちょっと変わった関係性でしたけど、また別の関係性でも共演したいなと思いました。

『リボルバー』

監督:オ・スンウク『無頼漢 渇いた罪』
出演:チョン・ドヨン『キル・ボクスン』、チ・チャンウク「江南Bサイド」、イム・ジヨン「ザ・グローリー~輝かしき復讐~」、キム・ジョンス『密輸 1970』、イ・ジョンジェ「イカゲーム」
2024年/韓国/115分/ビスタサイズ/5.1ch/原題:리볼버/字幕翻訳:福留友子/提供:ツイン、Hulu
配給:ツイン
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2月28日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!
https://revolver-movie.com/

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2025.02.27(木)
文=西森路代