僕の「失敗」から学んでほしい
いまの僕にできることは、がんが発覚するまでの流れ、がんにかかったら体にどんな変化が生じるのか、その時々でどんな検査や治療が用意されているのか、その医療行為にはどんな副作用や合併症があるのか、がんの治療にはどれくらいのお金がかかるのか──といったことを、患者兼ジャーナリストとして包み隠さず書き残しておくことだろう。
最初から通して読むと、がん治療の全体像が把握できるようになっているが、自分が置かれている状況に応じて、抗がん剤について知りたいなら第七章、緩和ケアについて知りたいなら第九章と、必要な部分だけを読んでいただいてもかまわない。
なお、本書のタイトルには「末期がん」という言葉が入っている。残酷な響きを持つこの言葉は、心ある医療者は使わないし、僕もこれまで自分が書く記事で使ったことはなかった。しかし、今回は対象が自分自身なので、あえて使用することにした。他意はないのでご理解ください。
「はじめに 医療ジャーナリストが「がん」になって」より
末期がん「おひとりさま」でも大丈夫(文春新書)
定価 1,023円(税込)
文藝春秋
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2024.12.06(金)