食生活を習慣化させることがなによりも大切

 糖質制限には4つのタイプがある。3食すべての糖質を制限する「スーパー」、朝・晩糖質を控える「スタンダード」、夜だけ糖質を抜く「プチ」、そして3食とも主食を減らす緩やかな糖質制限。

 速効性があるのは、もちろん「スーパー」。けれど、食事療法で大切なのは、習慣化するということ。どんなに優れたダイエット法でも、我慢ばかりで挫折してしまっては意味がない。肥満が深刻でない、30代女性ならまずは手軽な「プチ」でトライして、食生活を改善してみて。

 とはいえ、甘いものは欠かせないという人も多いはず。最近ではエリスリトールが主成分のラカントSなど、血糖値を上げない甘味料が市販されている。また、ネットでは低糖の食品も多く販売されているので、どうしても甘いものや主食が食べたくなったら、これらを活用して。

 糖質制限はダイエット法でもあり、健康法でもある。インスリン過剰には発がん性があるという報告もあるし、余った糖と結び付いたたんぱく質は、肌のたるみやくすみの一因になるといわれている。糖質制限効果として、顕著に表れるのは食後の眠気や胃もたれがなくなるということ。

 パスタやピザ、丼物など、現代人の食事は糖質に偏りがち。食生活を改善して、糖質を上手に控えるということは、健康的な身体を手に入れるということでもあるのだ。

【糖質制限3カ条】
1. 米、パン、麵類の主食と根菜類やイモ類、果物、砂糖などの糖質を控える。
2. 肉、魚介、葉野菜はおなかいっぱい食べてもOK。
3. 間食はチーズやナッツ類を適量。スイーツやドライフルーツは避けること。

お話を伺ったのは……江部康二先生 (一般財団法人高雄病院理事長)
臨床活動からダイエット、糖尿病克服に効果のある「糖質制限食」の体系を確立。自らも実践し、半年間で66kgから56kgと10kgの減量に成功。『京都の名医がおしえる「やせる食べ方」』など著書も多数。

2014.04.20(日)
構成・文=林田順子
撮影=笹口悦民(SIGNO)
スタイリング=郡山雅代
ネイル=NORI

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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