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 「相撲が強い」というまさかの共通点で盛り上がった、ドラマ『つづ井さん』でつづ井さん役を演じる藤間爽子さんと、原作者・つづ井さん。

 先週公開されたインタビューで、「キャスト・スタッフみんなで一緒になってめちゃくちゃ楽しんでます」と、撮影現場の楽しさを語ってくれた藤間さん。一方でつづ井さんも、このまたとない機会を「前世からの友」たちと存分に楽しんでいたそうです。


すごく愛を感じる企画だったので、安心してお任せしました

――つづ井さん的には自分の人生がドラマになったわけですが、不安や戸惑いはありませんでしたか?

つづ井 実はこれまでも実写ドラマ化やアニメ化の話は何度かいただいていたんですが、ずっとお断りしていたんです。やっぱり「つづ井さん」は自分の人生の日記なので、自分で書くぶんにはいいけれど、他人の手で再構築されて自分の記憶と違うものが混ざったら、何が本当かわからなくなって頭がおかしくなるかもって(笑)。

 でも、今回のドラマはマンガの編集担当さんが「いいドラマになりそうだから、お話だけでも聞きませんか」と背中を押してくださって。私をずっと守ってくださっていた担当さんの関門をくぐり抜けたのなら……と話を聞いたら、すごく愛を感じる企画だったので、安心してお任せしました。

藤間 ドラマが決まったとき、「前世からの友」のみんなからは、どんな反応が返ってきたんですか?

つづ井 まず「前世からの友」のLINEグループで「ドラマ化のお話がきとるらしいんやけど、どう思う?」って話をしました。「つづ井さん」は私の絵日記ではあるけど、同時に5人の思い出の話でもある。だから誰かひとりでも嫌やったら断るから、グループLINEで言いづらかったら個人LINEで送ってって。

藤間 わー、優しい(涙)。

つづ井 でも、みんな「いいじゃん最高!」っておもしろがってくれたので、私もこの祭りを逃さないぞ!って前向きになれました。

藤間 本当になかなかない、素敵な関係ですよね。私自身、こんな素敵な世界に関わらせていただけて光栄だなって改めて感じました。あと、つづ井さんたちの「なんでもおもしろがっちゃう精神」は、演じていてもすごいなと感動した部分で、だからこそ、じゃあこっちもおもしろがろう!って刺激を貰いました。

2024.10.17(木)
文=井口啓子
撮影=柴崎まどか