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夫婦別姓の結婚式のシーンでは…

――演じていて、法律の話でここは面白いな、興味深いなと思った部分はありましたか?

小林 考証の授業で学んだ相続の話なんかは、将来自分にも関わってくるものだなと思いました。それと、21週目に久保田先輩が再登場したのですが、その週は、寅子が夫婦別姓を選ぶ話なんですね。私たち明律大学のみんなが証人となって寅子たちが結婚式を挙げるんですけど、そのお話がすごく興味深かったですね。この時代に寅子や久保田先輩たちが法律を学んできたからこそ夫婦別姓を選ぶんだということを描いていて、応援したくなるし、演じている私達にとってもぐっとくるものがあって、現場も同窓会みたいな雰囲気がありました。

――久保田先輩は、結婚後弁護士を辞めてしまうというところで終わっていたので、その後の久保田先輩のことが描かれるのか気になっていました。

小林 一度、弁護士を辞めると言って鳥取には帰るんですが、その後も弁護士を続けていたんですよね。久保田先輩のモデルとされる中田正子さん自身の人生になぞらえているんですけど、子育てや家庭のことをしながら仕事を続けている姿をほんとうにかっこいいなと思いました。中田さんに憧れて弁護士になった方もたくさんいらっしゃいますし、私もリスペクトを持って演じたいと思いました。今回のドラマでも、実際の中田さんと同じように久保田先輩が弁護士を続けていたことはうれしかったですし、ドラマに描かれていない久保田先輩の人生についても自分なりに思いを馳せながら演じていました。

――小林さんは、初の朝ドラ出演ですよね。朝ドラならではだと思うことはありましたか?

小林 朝ドラは、一度は出てみたいなと思っていました。生前祖父母がよく見ていたので憧れもありました。この仕事を始めて31年目のキャリアで初めて朝ドラに挑んでいますが、改めてプロの集まる現場だなと身が引き締まる思いでした。

 とは言いつつも、学生時代のシーンはロケが多いこともあって、リハーサルをみっちりやるというよりは皆さんとその場で一緒に作っているという感じで、現場はまさに学生のような気持ちを大切に、日々楽しい撮影となりました。

2024.11.29(金)
文=西森路代
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=髙 千沙都