この記事の連載

今、最も注目している新人作家とその作品は?

◆『ブブとミシェル ~雨上がりの天使~』コドモペーパー/トゥーヴァージンズ

 堕天使が落ちてくる裏山で食材を探して散策していた少年・ミシェルは、死骸の中から卵を見つける。生まれてきた堕天使・ブブの寿命は1週間。最期まで見届けようとする孤独な少年と奇跡の物語。

「両親を病で亡くし、心に深い傷を負ったミシェルと、無邪気な堕天使・ブブによる愛と絆の物語。コドモペーパー先生の絵柄と、この作品全体を流れる空気感が大好きです。かわいく奇妙で切なくて、読んでいると胸がギュッとなります。忘れかけていた大切な何かを思い出させてくれるよう。大人にこそ読んでほしいおとぎ話のような作品です」

2024年食欲の秋におすすめのグルメマンガは?

◆『空挺ドラゴンズ』桑原太矩/講談社

 空飛ぶ船捕龍船「クィン・ザザ号」に乗り、宙を舞う龍を狩る狩人「龍捕り」たちの旅を描くファンタジー。異世界グルメものとしても楽しめるマンガ。

「空と龍に魅せられた乗組員たちの冒険譚でありながら、おいしそうな龍料理が出てくるグルメマンガでもあります(実際食べることはできないのですが……食べてみたい龍料理)。毎回表紙がものすごく美しいので手に取る度に感動します。はじめは絵に惹かれ読み始めましたが、おいしそうな料理、徐々に掘り下げられるキャラクター、ファンタジーの中にあるリアル。好きが詰まった作品でした!」

2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?

◆『プリンタニア・ニッポン』迷子/イースト・プレス

 生体プリンターから生まれた、もっちりとした不思議な生き物と暮らすようになってから、無口な青年・佐藤の周辺はさまざまなできごとで賑やかに……。

「変だけど妙にかわいい生き物が出てくるマンガが好きです。一般的な動物とはなんだか違う、生体プリンターから出力されたすこしふしぎ(SF)な生物と暮らす日常譚。ゆるもちなプリンタニアに癒され、謎多き世界観も魅力的なSFです」

honto コミック担当
荻野晶(おぎの・あき)さん

話題作からBLまでマンガ全般をこよなく愛し、月に100冊以上読む雑食派。マンガのキャラクターを讃えるアワード「マガデミー賞」の審査員も務める。

発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024

眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。

» 今年の大賞は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
» ベスト10発表!(特設サイト)
» 選考委員31名の愛読マンガまとめ

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