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俳優業とは自分で自分に“呪”をかけること

――『ゴジラ-1.0』で米アカデミー賞でも評価された白組によるVFX(ビジュアルエフェクツ=視覚効果)も素晴らしい作品ですが、実際に山﨑さんが出来上がった映画を見て、どのような感想を抱かれましたか?

 素直にすごいなと思いました。現場では想像でしかなかったものが、あれだけリアルな表現になっていて。やっぱり、自分から龍が出たりするシーンを見ると、テンション上がりました(笑)。「水の龍出したわ!」って。すごい嬉しかったです。

――VFXの効果を使った映画では、いないものを想像しながら演じることが多いと思います。現場では、どのような感覚なのでしょうか?

 晴明が“呪(しゅ)”をかけているように、自分自身にも“呪”をかけている感じですかね。嗣麻子さんと染谷くんと3人で、そういう話もしました。「俳優業って、自分で自分に“呪”かけてるよね」とか、「そもそもみんな“呪”かかってんじゃん」とか、「集団で“呪”にかかって作品作ってるから、みんなで同じものが見えてるんだよね」みたいなやりとりをしていて、そういう話ができること自体が面白かったです。

 だって考えたらそうですよね。自分から龍が出てるって信じて演じるわけだし、怪我してるシーンだったら本当に痛いと思ったりすることもあるし、悲しくないのに悲しいって自分で思って演じるわけだし、今ここにある水も日本酒だって思ったら日本酒に感じるかもしれないし。『陰陽師0』自体が、そういう話なんですよね。

――演じていて「龍」が見える瞬間があったりとか?

 それはねえ……、残念ながら龍は見えなかったんですよね(笑)。

山﨑賢人(やまさき・けんと)

1994年生まれ。東京都出身。近年の主な主演作品として映画『羊と鋼の森』(2018)、映画『キングダム』シリーズ(19〜23)、映画『劇場』(20)、Netflixドラマ「今際の国のアリス」シリーズ(20、22)、映画『夏への扉−キミのいる未来へ−』(21)、TBSドラマ日曜劇場「アトムの童」(22)、映画『ゴールデンカムイ』(24)などがある。今後、映画『キングダム 大将軍の帰還』の公開が控え、Netflixドラマ「今際の国のアリス」シーズン3の制作も決定している。

『陰陽師0』
4月19日(金)全国ロードショー

出演 山﨑賢人、染谷将太、奈緒、安藤政信、村上虹郎、板垣李光人、國村隼/北村一輝、小林薫
原作 夢枕獏「陰陽師」シリーズ(文藝春秋)
脚本監督 佐藤嗣麻子(『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズ)
音楽 佐藤直紀
主題歌 BUMP OF CHICKEN「邂逅」(TOY'S FACTORY)
呪術監修 加門七海
配給 ワーナー・ブラザース映画
https://wwws.warnerbros.co.jp/onmyoji0/

[衣装クレジット]

ジャケット 462,000円、シャツ 341,000円、パンツ 231,000円、ブーツ 209,000円、ベルト 97,900円/以上サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス 0120-95-2746)
ウォッチ 4,356,000円/ウブロ(LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン株式会社 ウブロ 03-5635-7055)

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2024.04.20(土)
文=西森路代
写真=平松市聖
ヘアメイク=髙橋幸一(Nestation)
スタイリスト=伊藤省吾(sitor)