ハワイの定番土産といえば、赤いパッケージにライオンマークの「ライオンコーヒー」。ハワイでは誰もが知っているコーヒーブランドですが、実はその生まれはハワイではありません。

 1979年、ある青年実業家によってライオンコーヒーはハワイに根付くことになりました。今回は、ライオンコーヒー好きにはたまらない、ライオンコーヒーのトリビアやルーツをご紹介します。

 また今年に入り、コロナ禍でずっと中止されていたライオンコーヒー日本語工場見学ツアーがようやく再開! 待ちに待った工場見学の様子もレポートします。


ライオンコーヒーは、実はハワイ発祥ではないんです!

 今でこそハワイの定番のお土産として、ABCストアやスーパーなどでよく目にするライオンコーヒーですが、ハワイ発祥ではないことを知っていましたか?

 1864年、アメリカ・オハイオ州トレド在住のC.C.ウォーレン氏がコーヒー焙煎に成功したのがライオンコーヒーの始まり。今から160年前、日本では新撰組による池田屋事件が起きた幕末ころからライオンコーヒーがあったと思うとすごいですね。

 その後、「ウールソン・スパイス・カンパニー」のオーナーであったアルビン・マンスフィールド・ウールソン氏が買収し、ライオンコーヒーを有名なブランドにしたといわれています。

 その方法の一つが、密閉できる1ポンド缶にコーヒーを詰めたこと。これにより、コーヒーの新鮮さを保つことができるようになり、質のよいコーヒーが飲めるようになったため、人々はこぞってライオンコーヒーを買うようになりました。

 さらに、プロモーションキャンペーンを行ったことで、人気に火が付いたのだそうです。今は当たり前に行われていますが、当時としては画期的なことでした。

 そのキャンペーンとは、パッケージに描かれたライオンのイラストの頭を切り取って郵送すると、紙人形やトレーディングカードといったギフトをもらえるというもの。

 このときに多くの人がキャンペーンに応募したことが、アメリカでバルクメールができるきっかけになったそうです。

 実際にプレゼントされたギフトは、ホノルル・カリヒにあるライオンコーヒーのカフェの一角に設けられたミュージアムでご覧になれます。

 1900年代初頭に入ると、ライオンコーヒーは世界でも最大級の大きなコーヒー焙煎業者となりました。

 しかしその後、1929年の世界恐慌をはじめ、さまざまな不運が重なり、ライオンコーヒーはしばらく休眠状態に。

2024.04.06(土)
文・撮影=宮本紗絵