ライオンコーヒーのホームグラウンドがついにハワイへ!
では、どのようにしてライオンコーヒーはハワイに渡ってきたのでしょうか。
それには、ハワイの青年実業家、ジェームス・デラノ氏の貢献がありました。もともとコーヒー会社をハワイで開きたいと考えていたデラノ氏は、高品質のコーヒーを取り扱っている業者を探していました。その際、アンティーク好きだったこともありライオンコーヒーの古いポストカードを発見。調べてみると、ライオンコーヒーは休眠しているものの、ブランドと商標の権利が利用可能であることがわかりました。
そこで、デラノ氏はオハイオ州を訪問し、ライオンコーヒーの権利を購入。ウールソン・スパイス・カンパニーが保有していた当時のグッズ、ポストカード、商標などをすべて引き取り、ハワイに戻ってきたのです。
1979年にデラノ氏はホノルルでライオンコーヒーの事業を始め、ライオンコーヒーブランドはハワイのものとなりました。
デラノ氏がポストカードを発見していなければ、今このブランドはなかったかもしれない、と思うと発見してくれたデラノ氏には感謝するしかありませんね。
大人気のライオンコーヒーの工場見学が2024年から再開
ライオンコーヒーは現地でも人気ですが、日本人観光客にも本当に人気。工場見学ツアーは英語ツアーに先立ち、日本語ツアーから再開されたほど。2024年1月4日から毎週火・木曜の10:00と13:00の2回開催しています。
ツアーガイドを務めるウィリアムズ靖子さんによると、コロナ禍でツアーが中止になっていたとき、連日多くの日本人観光客から日本語ツアー再開のリクエストがあったそうです。
1回の定員は6人で、公式サイトからの事前予約制です。少人数制なので、ハワイ旅行の日程が決まったら早めに予約することをおすすめします。
また、参加にはいくつか条件があります。年齢は12歳以上。工場内は通路が狭く、足元が悪い箇所が多いこともあり、車いすや杖等は使用できないのでご注意ください。
工場内には見学者用の通路があるわけではなく、工場内で働くスタッフのみなさんと同じ場所を歩くので、工場見学ツアーとしてはとっても臨場感があります。その代わり、安全面・衛生面についてはスタッフと同様の厳しい条件が適用されます。
たとえば、食品を扱う工場ですから、ヘアネットの着用、ひげのある人はひげカバーの着用が義務付けられています。
さらに、袖の付いている服を着用すること(タンクトップはNG)、つま先の見えるサンダルやビーチサンダルを履いている場合はフットカバーを着用するなど、いくつかルールがあるので、事前にウェブサイトでチェックしてからお出かけください。
工場見学ツアーの集合場所は、店内にあるライオンコーヒーミュージアムです。ツアーの看板があるのですぐわかります。
ツアー開始前には、ツアー参加にあたっての「リスクの承認と免責および責任免除文書」や「製造管理および品質管理に関する基準同意文書」に署名するといった手続きも行います。すべて日本語で書かれているので、一読してからサインしてくださいね。
見学する前にミュージアムで、靖子さんからライオンコーヒーがハワイにやってくることになったいきさつやロゴのライオンに関する秘密などを教えてもらえます。工場見学前からワクワクが止まりません!
スマホやカメラをはじめ、すべての荷物をロッカー(鍵あり)に預ける必要があるため、大きい荷物は持ち込まないようにしましょう。
工場内にはスマホなどの撮影機器も持ち込めないので、しっかり目に焼き付けてくださいね。なお、本記事では特別な許可を取って撮影させていただきました。
2024.04.06(土)
文・撮影=宮本紗絵