50年近くにわたり、より良い世界を目指し、独創的なプロジェクトに取り組む人々を支援してきた「ロレックス賞」。今年2月に発表された2023年度の受賞者5名の活動を通して見えてきたのは、地球の危機に立ち向かう勇気と強い信念でした。この美しい惑星を未来へと守り継ぐために何ができるか――パイオニアとして奮闘する受賞者たちの思いを通じて、改めて考えてみませんか?
深い海底も山の頂上も。探検家とともに歩んできたロレックス
ロレックスの礎を築いた創立者ハンス・ウイルスドルフにとって、地球は生きた「実験室」だった。山の頂上、深海、氷に覆われた極地、熱と埃が舞う砂漠……。どこにいようと正確で信頼性のある腕時計の製造に、ウイルスドルフはその半生を捧げた。そのためロレックスは、1930年代から未知なる世界に挑む探検家たちをサポートし、過酷な探検に時計を同行させることで、その性能を試してきた。
それから1世紀近くが経ち、探検の目的は次第に「単に未知を発見すること」から、「地球をより深く知り、自然保護の手段を探ること」へと移り変わっていった。そんな時代の変化にあわせ、ロレックスは環境保護への取り組み「パーペチュアル プラネット イニシアチヴ」のもと、新たなミッションに挑む、現代の探検家たちを支援している。
50年近い歴史を持つ「ロレックス賞」とは何か
ロレックスのオイスターウォッチのダイアルに刻まれた「パーペチュアル」という言葉。これは常に限界を押し広げ、この世界が永続するように貢献しようとするロレックスのビジョンと価値観を体現する哲学である。
1976年、ロレックス オイスターの誕生50周年を記念して、「ロレックス賞」が創設された。2年に1度開催されるこの賞は、「科学と医療」「環境」「応用技術」「探検」「文化遺産」の5分野において、人類の未来に貢献するプロジェクトに贈られ、これまでの受賞者は160人にのぼる。中でも多くを占めるのが地球環境を保護するプロジェクト。サンゴ礁やユキヒョウなど、実にこれまで30以上の生態系と50以上の絶滅危惧種が、受賞者たちのプロジェクトによって保護されてきたという。
2024.03.28(木)
文=CREA編集部
協力=ロレックス