「世界海洋デー」にあたる2021年6月8日、美しい映像作品がロレックスのウェブサイトで公開された。『パーペチュアル プラネット:Heroes of the Oceans』。伝説的な海洋学者シルビア・アールが、世界中の海が抱える課題の解決を目指す6人の海洋科学者たちの活動を紹介するドキュメンタリーだ。
海は地球の生命維持システム
シルビア・アールという偉大な女性の存在を知る人は日本には少ないかもしれない。50年以上にわたり、海洋研究と深海探検のパイオニアとして地球環境保護に尽力してきた海洋学者だ。
その功績は国際的に高く称賛され、これまでに100以上もの賞を受賞。また、1982年から、ロレックス テスティモニーを務めている。
「人生のほとんどを海洋探検の喜びと人類の生存を可能にする生態系の研究に費やしてきました」。そう語るシルビアは、85歳を迎えた今もなお自ら海に潜り、研究を重ねる。
だが、その目に映るのは、深刻なダメージを受けた海洋環境の窮状だ。海中のマイクロプラスチック、海水の酸性化、海水温の異常なまでの上昇、沿岸域の磯焼けなど、海の生命を脅かす海洋環境の悪化はすべて人間の行動に起因している。
ドキュメンタリー映像『パーペチュアル プラネット:Heroes of the Oceans』では、シルビアがナレーションを務め、6人の海洋科学者たちが、再び海が健康を取り戻すことを願って奮闘する姿を紹介している。
『パーペチュアル プラネット:Heroes of the Oceans』
https://www.rolex.org/ja/environment/video/heroes-of-the-oceans/
BBCスタジオが迫る、リアルな海の世界
制作は、BBCスタジオのサイエンスユニット。グレートバリアリーフ、南極大陸、パタゴニアなどの壮大な海を映し出した約1時間の映像は、世界屈指の海洋ドキュメンタリーを手がけてきたBBCスタジオならではの圧倒的な迫力と美しさだ。
その映像美からは、海洋環境の厳しさがリアルに伝わってくる。海の生態系の基盤であるサンゴが命を失っていく様は、あまりに哀しく、やりきれない。
“次世代のヒーローたち”とシルビアが称える6人の海洋科学者たちは、「地球の生命維持システム」である海を保護するため、繁殖力の高いサンゴを移植する活動や、海洋生物に人間の騒音が与える影響の調査など、さまざまな活動に取り組んでいる。
シルビアもまた、非営利団体「ミッション・ブルー」を立ち上げ、海洋環境保護の拠点とすべき場所を「ホープ・スポット」として認定。その数は今や世界130カ所にものぼる。
「力を合わせれば、永続する地球は創造できます」。半世紀以上にわたり海とともに生きてきたシルビアは、もしかしたら海からのメッセージを代弁しているのかもしれない……。
『パーペチュアル プラネット:Heroes of the Oceans』は、海の日である7月22日(木・祝)19:00~20:00にBSフジでも放映(再放送:8月29日[日]14:00~15:00)。
この機会にぜひ、海のヒーローたちの姿を見つめ、その声に耳を傾けて、私たちにできることは何かを考えてみてほしい。
パーペチュアル プラネットへの取り組みについて
約1世紀にわたり、人類の限界を押し広げる先駆的な探検家たちを支援してきたロレックス。近年、探検は未知の世界の発見から地球環境の保護へと、その目的が変わってきたことを背景に、2019年に「パーペチュアル プラネット」イニシアチヴという環境保護への取り組みをスタート。シルビア・アールの海洋保護「ミッション・ブルー」のほか、より良い世界に貢献する個人を支援する「ロレックス賞」、そしてナショナル ジオグラフィックとのパートナーシップによる、地球上で最も過酷な環境での科学研究を支援する「パーペチュアル プラネット エクスペディション」という3つのプロジェクトが現在、進行している。
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ロレックス
2021.07.19(月)
文=張替裕子