クリエイターが愛した部屋、クリエイションが生まれたホテル。特別なアドレスでは、歴史を紐解いたり、アートの域の調度品を崇めたり。パリならではの創造の館に滞在すると、イマジネーションが無限に広がる。
今、泊まりたい“物語”のある素敵ホテルを5回に渡りご紹介。
著名デコレーターが提案する左岸の新たな定宿
◆Hôtel des Grands Voyageurs(オテル・デ・グラン・ヴォワイヤジュール)
[2023年冬オープン]
こちらの左岸のホテルを手がけたのは、ファブリツィオ・カシラギ氏。
数年前にはパリ2区のレストラン「Drouant」のエレガントな内装で話題となり、インテリア誌『アーキテクチュラル・ダイジェスト』によるベストデザイナー“AD100”のひとりに選ばれた注目の若手だ。
20世紀初頭のモダニズムを思わせるエレガントでグラフィックなインテリアを活き活きと見せているのは、アーモンド・グリーンやグレーがかったブルーなど、ニュアンスのある色合い。
小さめの部屋をシンプルに保ったうえでの装飾的要素は、壁の繰形とレリーフ、そして手作りの鏡だ。
全体的に、曲線と直線のバランスもいい。
客室によってはクリムトやシャガールのリトグラフが壁を飾る。地下には隠れ家的バーも。
Hôtel des Grands Voyageurs(オテル・デ・グラン・ヴォワイヤジュール)
所在地 92 rue de Vaugirard 75006 Paris
電話番号 01 49 54 87 00
客室数 138室
料金(1室) 300ユーロ~
https://www.hoteldesgrandsvoyageurs.com/
Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2024.02.14(水)
文=乗松美奈子
撮影=橋本 篤
編集=矢野詔次郎