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シュタイナー教育が僕にもたらした“自信”

――インスタグラムにもたくさん素敵な写真をあげていらっしゃいます。絵や写真、クレイアニメーションなど、いろんな表現にご興味をお持ちですが、坂東さんの表現の原点となったものは何ですか?

 最初は絵ですね。特別描き方を習ったことはないんです。シュタイナー教育はアートの授業を重視していて、週に2、3時間ありました。絵を描いたり、木工をしたり。そのうち絵を褒められるようになって、余計に描くことが好きになりました。

——シュタイナーは、個性を重視し、感性を伸ばしたり、考える力を養うような教育だと思うのですが、シュタイナー教育を受けたことが俳優業に役立っているという実感はありますか?

 役立つことと、大変なことの両方がある気がします。自分の中から生まれる、オリジナルのものを信じる気持ちは常にあって、当たり前のようにアウトプットを繰り返しやってきました。それが根拠のない自信に繋がって、この世界に飛び込めたというのはシュタイナー教育のおかげだと思います。

 ただ、今でこそ、場の空気を読むとか、人の顔色を伺うことが身についてきましたけど、昔はそういうことができなくて、恐れずに自分の意見を言ってぶつかることもありました。

 この業界に入って苦労したのは、テレビやインターネットを禁止されていたので、俳優さんやタレントさんに全く詳しくない。過去の名作ドラマもほとんど観ていないということです……。

――変に緊張せずに役の人物として接することができてよかったのではないですか? 相手役の方もその方がやりやすいのでは?

 ありがたいことに、そう言っていただくこともあります。この6年の間にだいぶ過去作を追いかけましたけど、まだ知らないことがたくさんあります。木村拓哉さんと共演させていただいたのに、名作ドラマの『ロングバケーション』を知らずにいたり。新しいものも観たいですし、シュタイナー教育には感謝していますが、もうちょっと学生時代に観ておきたかったなと思うことはあります(笑)。

2024.02.09(金)
文=黒瀬朋子
撮影=橋本 篤
ヘアメイク=OLTA 後藤泰
スタイリスト=李靖華