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和食器は組み合わせを自由に楽しめるよさがあります

 6寸(約18センチメートル)のリム皿、幅広の縁(ふち)があるお皿です。食卓におしゃれな感じを加えてくれるデザイン。幅広のリムは中心部に盛ろうと思わず、はみ出して使っていいんですよ。パンやケーキ、ひとり分のサラダを盛るのにぴったり。洋風だけでなく、焼き魚などをのせてもしっくりくるんです。

 8寸(約24センチメートル)というサイズはパスタやカレーを盛ったときにちょうどよく、ワンプレートディッシュに使うにもぴったり。ひとり分を盛ったときに余白が出来て、見た目もすっきりと盛りつけられます。ただ大きいお皿を買うときは、ご自宅のテーブルの大きさも考えて。小さめの食卓ならば、ひとつ下のサイズの7寸皿のほうがおさまりがいいです。

 洋食器はセットでそろえるものですが、和食器はいろいろと違った雰囲気のものを組み合わせていく楽しさがあります。質感、形、色、手ざわり、それぞれがばらばらでも、組み合わせて並べてみると意外な相性のよさが生まれてくる。この楽しさは格別のものです。

 洋服で、上下がいまいち合わなくてもそこにスカーフひとつを合わせると全体がまとまるようなこと、ありませんか。それと同じような楽しさが、うつわの組み合わせにもあるんです。難しく考えず、自分だけの楽しい組み合わせを見つけていってください。

白央篤司

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
https://www.instagram.com/hakuo416/

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Column

うつわのある暮らし

食を彩る素敵なうつわとともに日々を過ごす。憧れるけどなにから始めたら? フードライターの白央篤司さんが、「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、うつわの専門家を訪ねました。

2024.02.13(火)
文=白央篤司
撮影=平松市聖