この記事の連載

 7日間で薬膳の基礎を学ぶ、短期集中連載「谷口ももよの“一日一薬膳”」。

 年齢を重ねると起こる、さまざまな身体の変化と上手に向き合っていくためにも、自分の身体と対話しながら、ゆるく薬膳をはじめませんか? 薬膳知識のはじめの一歩を、薬膳料理研究家・谷口ももよ先生に教わりました。


一日の終わりの大切なルーティーン

 一日を終え、今日もようやく眠りにつける時間がやってきました。とても忙しくて身体の節々が痛かったり、精神的に何か嫌なことがあったり、疲労で体調が優れなかったりしているのでは。そう、誰もがいつも完璧な一日を過ごせるとは限りませんものね。

 とくに落ち込んだ気持ちやイライラした気分のままだと、ベッドに入っても頭が冴えてしまい、寝られないことがありますよね。不眠のスパイラルに陥ってはいけません。一日の終わりに、嫌なことはお風呂で全部洗い流してしまいましょう。身体の汚れを洗い流すように、心にたまった悪いものもたっぷりのお湯で洗い流すつもりで、お風呂タイムをゆったりと過ごしてください。

 お湯に浸かって、今日はどんな一日だったのかを振り返ります。いいことがあれば褒め、嫌なことがあれば慰めて、頑張った自分を労ってあげましょう。自分自身を丁寧に扱ってあげることで、今日一日をしっかり終わらせ、明日を迎える準備ができるのです。たとえどんな嫌なことがあった一日でも、自分に「お疲れ様」「ありがとう」と言ってあげると、身体、細胞、魂が喜んで、明日へのエネルギーを生み出してくれるはずです。

 明日はまた新しい自分に生まれ変わるつもりで、気持ちをリセットすることが大切です。

2023.11.17(金)
文=大滝美恵子
写真提供=谷口ももよ