この記事の連載

 7日間で薬膳の基礎を学ぶ、短期集中連載「谷口ももよの“一日一薬膳”」。

 年齢を重ねると起こる、さまざまな身体の変化と上手に向き合っていくためにも、自分の身体と対話しながら、ゆるく薬膳をはじめませんか? 薬膳知識のはじめの一歩を、薬膳料理研究家・谷口ももよ先生に教わりました。


朝は一杯の白湯から

 私が365日、毎朝、起きてすぐにすること。まず、白湯を一杯、ゆっくりといただきます。どんな朝だろうと欠かさない、私のルーティーンです。ポイントはお茶やジュースでなく、白湯だということです。

 お茶には利尿効果があるので、それでは別の作用が身体に働いてしまいます。せっかく水分をとって身体を潤そうとしているのに、すぐトイレに行きたくなってしまっては意味がありません。カフェインの過剰摂取も気になります。

 またダイエットや美容目的のスムージーやアサイージュースがはやっていますが、起きがけに冷たいものを一気飲みしたら、まるで鯛を氷締めするかのように、内臓を縮こまらせてしまいます。それでは、その後の朝食の栄養をうまく吸収できるわけがありません。

なぜ温かい白湯が身体によいのか

 冷たい水ではなく、常温から人肌くらいに少し温めた白湯を飲みましょう。寒いときはもう少し温度を上げて、身体を温めるのに役立てます。白湯で身体を優しく目覚めさせると、少しずつ内臓が動き始めます。水分を与えて潤すことで、代謝もうながせるんですね。

 朝起きてすぐ、お湯を沸かすのが面倒だと感じるなら、寝る前に水筒にお湯をいれて準備しておくのもいいですね。我が家には幸いにも便利なウォーターサーバーがあるので楽チンです。コップに水を半分、お湯をそれより少し多めにいれるとちょうどよい温度になります。枸杞(くこ)の実や棗(なつめ)をいれて、エキスを抽出させたものを飲むのもひとつのアイデアです。

2023.11.15(水)
文=大滝美恵子
写真提供=谷口ももよ