この記事の連載

寝ている間に失われた水分を補給

 寝ている間に汗をかいて体内の水分が失われていますので、水分補給という意味でも、朝の白湯の習慣は大切です。歳をとるとなかなか水分を摂取するのが難しくなってしまうようで、実家にいる時は毎朝、母に「おはよう。白湯飲んだ?」と声をかけるようにしています。水分不足は何かしらの不調につながりますしね。

 私が登壇している薬膳セミナーでもこのお話をしたところ、後日、実践してくださった男性の方が「朝、白湯を飲むだけなのに、すこぶる調子がよくなった」と報告にきてくださいました。散歩に行く習慣のある方は、どうぞ白湯を飲んでから、お出かけください。水分不足の状態で汗をかくのは、身体によくありませんので。

朝食は軽めでOK

 また、朝食は軽めが望ましいです。朝ご飯は英語で「breakfast」と書きますが、「break(破る)」と「fast(断食する)」の2つの単語からできていて、「前日の夜から何も食べていない断食の状態を破る」最初の食事のことを示しています。

 最近はダイエットの方法のひとつとして「断食」「絶食」も取り上げられていますね。専用の宿泊施設では、数日間の断食明けの食事は、ほとんどお米が入っていない重湯からスタートすることが一般的です。これは胃腸や肝臓に負担をかけないためです。

 私は珈琲とパンの朝食が好きなのですが、週2、3日は朝粥やスープ、ご飯とお味噌汁など、身体のリセットを意識したメニューを用意します。消化のいい、軽めの食事を取ることで、身体が軽く感じられて動きやすくなり、仕事もはかどり、その結果、美味しくお昼ご飯を食べることができるのです。

 断食までしなくとも、朝はまず白湯を飲んで、そして軽い朝食を心掛けてみてください。スムーズな一日のスタートを実感できますよ。

谷口ももよ(たにぐち・ももよ)

「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材を使った簡単で美味しい薬膳レシピを提案。なかでも豆腐や野菜を中心としたよりヘルシーな“ベジ薬膳”を提唱する。薬膳料理教室を主宰し、講師育成の薬膳講座を全国で展開。レストランへのレシピ提供や企業との商品開発など活動は多岐にわたる。著書も多数出版し、『身近な10の食材で始める薬膳ビューティーレシピ』(講談社)、『5色の野菜でからだを整えるべジ薬膳』(キラジェンヌ)で、グルマン世界料理本大賞グランプリを2度受賞。「東洋美食薬膳協会」代表理事、「全日本薬膳食医情報協会」名誉顧問、「日本豆腐マイスター協会」理事、薬膳料理教室「Salon de Maman」主宰。国際中医師。

●谷口ももよ公式サイト https://yakuzen-salon.com/
●東洋美食薬膳協会 https://orientalyakuzen.com/

次の話を読む【谷口ももよの“一日一薬膳”】 「疲労を感じたら鰻より山芋」 女は山芋と仲良くなるべし

← この連載をはじめから読む