この記事の連載
7日間で薬膳の基礎を学ぶ、短期集中連載「谷口ももよの“一日一薬膳”」。
年齢を重ねると起こる、さまざまな身体の変化と上手に向き合っていくためにも、自分の身体と対話しながら、ゆるく薬膳をはじめませんか? 薬膳知識のはじめの一歩を、薬膳料理研究家・谷口ももよ先生に教わりました。
おやつは「絶つ」のではなく「置き換える」
「おやつ」という言葉、なんて優しい響きなんでしょう。不思議な魔法の力があるような、ちょっとワクワクする言葉ですよね。赤ちゃんからお年寄りまで、おやつはみんなが嬉しくなる食べものです。
甘いものも適量であれば問題ナシ
でもおやつに甘いものを食べるのって、どこか罪悪感を感じますよね……。健康を考えるなら甘いものなんかダメ! と思われるかもしれませんが、農林水産省のホームページにもおやつや清涼飲料水も適度なとり方をすれば活力になると提示されています。
適度に、というのが重要です。私だってたまには甘いものが無性に食べたくなり、デパートのスイーツ売り場をうろうろしています。美味しい魅惑的なスイーツを食べることで幸せな気持ちになったり、ストレス解消になったり、心のバランスを整えることにもなるので、夕食前にちょこっと食べる程度ならまったく問題ありません。どうぞご心配なく。
おやつの中身を変えてみるのもいいですね。たとえば棗(なつめ)やくるみを1、2粒や、焼き芋や干し柿もおすすめです。甘さの質を変えてみると、砂糖をたくさん使った甘ったるいものを欲しなくなるはずです。
おやつで身体に必要な栄養がとれたり、健康にいい効能が得られたら素晴らしいのになぁ。そんな思いから、私は薬膳スイーツのレシピ作りや研究をするようになりました。方法はカンタン。食材を身体にいいものに置き換えればいいんです。
私が代表理事を務める東洋美食薬膳協会では、身体にいい、ヘルシーなスイーツのレシピが学べる「東美薬膳スイーツマイスター認定講座」を開講しています。受講者には学ぶというより体験し、実践、試食してもらうのですが、スイーツだと余計にテンションがあがるみたい!? 育児中のママさんたち、ご年配の方、若い世代も皆さん、とても喜んでくださっています。
2023.11.21(火)
文=大滝美恵子
写真提供=谷口ももよ