この記事の連載

 7日間で薬膳の基礎を学ぶ、短期集中連載「谷口ももよの“一日一薬膳”」。

 年齢を重ねると起こる、さまざまな身体の変化と上手に向き合っていくためにも、自分の身体と対話しながら、ゆるく薬膳をはじめませんか? 薬膳知識のはじめの一歩を、薬膳料理研究家・谷口ももよ先生に教わりました。


韓国でよく見る「よもぎラテ」

 身体が疲れやすい、ほてりやのぼせ、夜なかなか寝つけない……。女性のこのような諸症状はホルモンバランスの乱れが原因、といわれています。そのホルモンバランスを整えるために、まずすすめたいのは「よもぎ」です!

 韓国では身近な食材として日常的に取り入れられていて、カフェでは「よもぎラテ」をメニューに見かけます。私も飲んだことがありますが、カフェインが含まれておらず、さほど苦みも強くないので、とってもおすすめなんですよね。

 日本でもぜひ味わっていただきたいと、よもぎなど7種類のスパイスを配合した、牛乳と混ぜるだけのココアパウダー「麗膳 よもぎココアラテ」を監修しました。どうぞ試してみてくださいね。

女性の未来を輝かせるスーパーフード

 緑のよもぎは春の訪れを感じさせる食材です。柔らかい若葉を食す、代表的な春の野草のひとつですね。栄養価も高く、鉄分やビタミン、ベータカロテンなども豊富なので、食べない理由はありません。

 よもぎのいいところは、薬としてでなく、普段の食生活に取り入れられるところ。草餅、天ぷらやかき揚げ、おひたしにしてもいいですよね。苦いのが苦手? そうですね、ちょっと苦みがありますよね。でもこの苦みが大切なんです。東洋医学では“味”が効能をもたらすと考えられていて、苦みにはデトックス効果、胃腸を健やかにする作用があるといわれています。

 本来、苦みには解熱作用があるのですが、春の草類の持つ苦みは熱を下げないのが特徴なんです。春は気温が夏ほど上がらないので、春の草類は体内の熱を下げる必要がないんですね。不思議な自然の摂理だなと感心します。

 もちろん、漢方薬としても不正出血や冷えの改善に活用されています。貧血、生理痛、過多月経にも効果が期待できるので、閉経前後の女性はもちろん、若い女性たちも未来のために、よもぎを積極的に口にしてもらいたいです。

2023.11.19(日)
文=大滝美恵子
写真提供=谷口ももよ