この記事の連載

 7日間で薬膳の基礎を学ぶ、短期集中連載「谷口ももよの【“一日一薬膳”】」。

 年齢を重ねると起こる、さまざまな身体の変化と上手に向き合っていくためにも、自分の身体と対話しながら、ゆるく薬膳を始めませんか? 薬膳知識のはじめの一歩を、薬膳料理研究家・谷口ももよ先生に教わりました。


旅先では「サンダル」が定番

 今年もまた台湾に行ってきました。薬膳の勉強のために定期的に訪問しているのですが、毎回、朝から晩まで精力的に動き回ります。長くいられるわけではないので、一食、一食がとても大切。何を食べたいか考えて、事前にしっかりリサーチとスケジューリングをして、街に繰り出します。

 普段、運動靴を履き慣れていないので、旅先でも少しヒール感のあるサンダルが定番です。「疲れませんか」と言われるけれど、雨が降っても爪先はすぐ乾くし、旅先でもおしゃれをしたいし、何より慣れているから私はこれでOK。服装も、蒸し暑い台湾には涼しげなワンピースを持参します。

 フォーマルではないけれど、上級のカジュアルに見えるような、しっかりした布のもの。上下の組み合わせを考えなくていいし、シワにならないし、下にスパッツを履けば、お腹の冷え防止にもなりますしね。

旅のおともは「半夏厚朴湯」&ホテルは絶対バスタブ付き

 今回は湿気にやられて途中でちょっとダウンしそうになってしまったけれど、無事に予定はこなし、同行者と半分ずつにしたりして食べたかったものも全部、制覇しました。顆粒の漢方薬「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」を必ず持って行くんですが、これは不安からくる体調不良、動悸などによい薬で、私の大切なお守りです。

 あとホテルはバスタブがあるところを選びます。普段から一日の疲れをリセットするのにちゃんとお風呂に入っているので、旅先でも同じようにその日の疲れはその日にとります。そうしないと予定が狂ってしまいますからね。

 台北の迪化街(ディーホアジェ)はレトロな街並みが素敵な漢方薬や乾物屋の集まる問屋街。高麗人参、枸杞(くこ)の実、棗(なつめ)や、日本ではあまり手に入らないような乾物を探して店を渡り歩きます。たくさんお店がありますが、乾物でも艶があってフレッシュなものを扱っていたり、葉っぱや根の形が綺麗に整えられていたり、店によって保存状態が全然違うんですね。

 買い物をする時はしっかり店を見極めて買うようにしてください。ジェスチャーで値段を交渉するのも楽しいです。今回はよもぎのアイテムが何かないかなと探していたんですが、足湯に入れるティーバッグ状のものを見つけました。これも日本ではやらせたいなと思っています。

2023.11.21(火)
文=大滝美恵子
写真提供=谷口ももよ