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レトロな温泉街に生まれた新たな癒やしの風景
美人湯が豊富な美肌県・島根で、最近注目といえば、その名も縁起のいい有福温泉。名物の石見神楽が必見で、勇壮、豪快、痛快な世界観に大興奮……。
「現在、県内に140の神楽団があると言われ、私たちの神楽団は約50年の歴史があります。石見神楽の代名詞“鬼”と“蛇”は必ず演じますので、遠方からお越しになるファンも多いんですよ」と有福温泉神楽団の伊藤康則団長。魅力は、なんといっても圧倒的な迫力。数千万円はかかっているという絢爛な衣装が間近でひるがえり、大蛇も観客の数十センチの距離で暴れまくり……。一度鑑賞したら、やみつきになること間違いなしだ。
さて、細い路地の奥に建物が連なる有福温泉。レトロ建築の公衆浴場をはじめ、昔ながらの情緒を残しながら、おしゃれなカフェレストランやホテルが続々と登場。新しい賑わいが生まれている。
話題を集めているのが、昨夏に開業の「ショーケースホテルKASANE」。島根の手仕事を館内にふんだんにちりばめた、その名の通り“ショーケース”をコンセプトとするユニークなホテルだ。プロデュースするのは、地元・江津市から独自のライフスタイルを発信している建築デザイン会社「SUKIMONO」。
「地域の活性化はもちろんのこと、私たちが目指したいのは、モノづくりの現場が楽しくなること。職人たちが生き生きと働ける場を、ホテルを通じて創っていきたいですね」と代表の平下茂親さん。
有福温泉では、ここから始まる新しい温泉街のカタチにも出会えるのだ。
有福温泉神楽団による「湯の町神楽殿公演」
開催日時 毎週土曜 20:30~21:30(10月、1~3月は月1回公演)
料金 1,000円
問い合わせ先 江津市観光情報センター(電話番号 0855-52-0534)
https://gotsu-kanko.jp/iwamikagura/arifukukaguraden
2023.10.02(月)
文=矢野詔次郎
撮影=鈴木七絵、志水 隆
協力=島根県観光連盟