「何から観たらいいかわからない」という韓流初心者や「最近観たい作品がない」という韓流倦怠期の方はまずご一読あれ! 韓流を知り尽くした安部裕子さんと高橋尚子さんが選ぶこの10年のベスト・オブ・ベストは?
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「冬ソナ」には欲しいものが全部入ってる!
'02年・全20話/ドラマの略称“冬ソナ”は04年流行語大賞トップ10入り。韓流ブームはここから始まった。/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/韓国KBSノーカット完全版DVD BOX¥33300
高橋 ここ10年の韓流ドラマを振り返って、観るべき作品を考えた場合、一般的な目で選ぶとやっぱり「冬のソナタ(※1)」は外せませんね。
安部 「冬ソナ」のあと「宮廷女官チャングムの誓い(※2)」のブームがあって、「宮(クン)~Love in Palace(※3)」がきて、「美男〈イケメン〉ですね(※4)」でピークを迎えたと思ったら「屋根部屋のプリンス(※5)」が登場して。この5作品が、日本における韓流ブームの流れを作ってきたマスト・アイテムと言えそう。
高橋 人気が停滞してくると、ブームになる話題作が現れる(笑)。先日久々に「冬ソナ」を観返して、「『冬ソナ』には欲しいものが全部入ってる!」と改めて思いました。胸キュン要素はもちろん、切なさやピュアさ、男の嫉妬合戦、ドラマチックな展開など、ドキドキする定番シチュエーションが全て詰め込まれているんです。この作品が韓流ブームの先駆けになるのはわかるな~と。
安部 「チャングム」ブームもすごかったですよ。韓流に関心のなかったおじさんたちも「イ・ヨンエっていいねえ」なんて盛り上がっていて、手応えを感じました。
高橋 54話もある長い作品なのに、全然飽きなかった。
安部 しかも「また観ようかな」という気にさせられるんですよ。
高橋 “長い”で思い出したけど、163話もあるのに「がんばれ! クムスン(★)」が大好きなんです。このときのカン・ジファンは完璧でした。
安部 私も大好き。「クムスン」は萌え要素が豊富だし、長篇ドラマは主人公たちの恋愛の紆余曲折を長々と楽しめるので、そのカップルに愛着が湧くんですよね。
※1「冬のソナタ」('02 KBS 全20話)
出演:ペ・ヨンジュン、チェ・ジウ、パク・ヨンハ
初恋の人ジュンサンが交通事故死してから10年、幼なじみのサンヒョクと婚約したユジンの前にジュンサンに瓜二つのミニョンが現れる。04年ヨン様来日の際には空港にファン5千人が殺到した。
※2「宮廷女官 チャングムの誓い」('03~'04 MBC 全54話)
出演:イ・ヨンエ、チ・ジニ、ヤン・ミギョン
様々な困難にも負けずに最高の宮廷料理人を目指し、遂には王の主治医になった実在する女性チャングムのサクセス・ストーリー。これで年配男性の韓流ファンが激増。
※3「宮(クン) ~Love in Palace」('06 MBC 全24話)
出演:チュ・ジフン、ユン・ウネ、John-Hoon
韓国が立憲君主制だったらという仮定の下、2人の王子の恋と権力争いを描くラブコメ。「チュ・ジフンがドレスアップしたヒロインを見て恋に落ちた瞬間の表情が最高」(高橋)。
※4「美男〈イケメン〉ですね」('09 SBS 全16話)
出演:パク・シネ、チャン・グンソク
双子の兄の代わりに男装してイケメンバンドに加入したミニョは、秘密を知ったツンデレなリーダーのテギョンと恋に落ちる。チャン・グンソクの魅力が爆発。グンちゃんブームに。
※5「屋根部屋のプリンス」('12 SBS 全20話)
出演:パク・ユチョン、ハン・ジミン
妃ファヨンの変死事件の捜査を始めた朝鮮王朝の王世子イ・ガクは、2012年の女子パク・ハの屋根部屋にタイムスリップ。謎解きや輪廻転生を盛り込んだファンタジー・ラブコメ。
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2014.01.01(水)
臼井良子=文