締切ギリギリまで試写室を巡りまくった映画評論家・マダムアヤコが、自信をもっておすすめする映画はコレ! 邦画・洋画とりまぜて、とくとご覧あれ!
今回は『利休にたずねよ』ほか4本を紹介。
團十郎と海老蔵、最初で最後の映画共演
『利休にたずねよ』
【必見!】海老蔵の老け役に違和感はあるが、後半は色気で5割増し
千利休はいかにして類まれな審美眼を身に付け、秀吉の切腹を受け入れたのか。直木賞を受賞した歴史ミステリーの映画化で、利休70歳の切腹当日から、徐々にさかのぼり、彼の若き日の悲恋へとたどり着く。利休を演じる海老蔵は、前半=壮年期の演技は目を見開くか、感情を抑え込む表情の繰り返しで、あまり冴えないのだが、後半に描かれる青年期の、恋に野心に燃える利休になると、一気に輝きを増す。利休の師を演じた、彼の父である團十郎の遺作でもあるが、團十郎が最晩年を演じればよかったのに!
原作:山本兼一 監督:田中光敏 脚本:小松江里子 出演:市川海老蔵、中谷美紀、市川團十郎(特別出演)、伊勢谷友介、大森南朋
●12月7日(土)より全国公開中
2013.12.07(土)
石津文子=文