渡船でしかたどり着けない“幻の滝”へ
ガイドさんの説明や景色を楽しみながら歩くこと約45分。猿飛渡船の乗り場に到着しました。ここからは船に乗って滝に向かいます。
猿飛渡船では、幻想的な峡谷の間を船で渡っていきます。高さ20メートル以上の岩壁が2～3メートルの間隔で約30メートル続いていて、まるで天然クーラーのようなひんやりとした冷気を感じます。
深い所では水深9メートルあり、竿が使えないため、船頭さんがロープを手で引っ張るようにして船を進めていきます。
原生林が育む、清らかな川にはアマゴやヤマメといった清流に棲む魚はもちろん、オオサンショウウオやギギといった貴重な生物も生育しています。
船が進むと、一段と狭くなっている峡谷が見えてきました。高さ20数メートルの岩壁が2～3メートルの間隔で約30メートル続く「猿飛」です。切り立った断崖の上を猿が飛び交っていた様子から「猿飛」という名が付いたそう。
猿飛を越えると、渡船の目的地「二段滝」です。
二段滝は、黒淵、猿飛、三段滝、三ツ滝と並んで三段狭の五大景観の一つに数えられ、落差11メートル、幅5メートルの豪快な滝。船を降りて岩場を少し歩くと、滝壺が水煙をあげ、ごうごうという音が聞こえてきます。ひんやりとした空気に包まれ、神秘的な光景を見ていると、時間が経つのも忘れてしまいそうに。
船に乗らないと辿り着くことができないため、幻の滝とも称される二段滝。残念ながら豪雨の影響で、今は一段になってしまっていますが、それでもその迫力は圧巻です。
日々の慌ただしさに、ついつい自然から遠い生活を送りがちですが、緑の中でゆっくり深呼吸してみると日ごろのストレスがスッとなくなっていくのを感じました。紅葉の時期も見頃とのことなので、秋に来るのも良さそうです。たまにはゆったりと自然の中に身を置いてみるのも大切ですね。
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所在地 広島県山県郡安芸太田町柴木
猿飛渡船料金 大人（中学生以上）500円、子ども（3才以上小学生）300円
運行時間 10:00～15:00
https://cs-akiota.or.jp/sandankyo/
2023.07.24(月)
文＝根津香菜子
