この記事の連載

「ねえ、お母さんどうしたらいい?」

 陰気臭いといえば陰気臭いんですけど、夜中に線香をあげて、灯がついている間、心の中でベベに話しかけるんです。

「ベベ、今どこにおるん? もうそんなお母さん、いじめないでくれるか? かなわんわ」「ねえ、お母さんどうしたらいい? 何とかしてくれないかな」「あなたのことを早く思い出にしたい。いい犬だったな、最高の犬やったって早くなりたい。でもまだ無理やわ」

 もうえげつないほど喋ってます。自分でもよく出てくるなと感心するぐらい喋って、最後は泣いてますね。お姑さんが亡くなったとき「一生分もらったな」というぐらい線香をいただいたんですよ。それがもう全部なくなりましたから。

 番組なくし、夫と別居し、ベベまでいなくなって。10代のころからこんなに税金払ってきたのに、どんだけいじめてくれるねん! って誰かに言いたいです。関係ないですけどね(笑)。

ペットロス いつか来る「その日」のために (文春新書 1409)

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文藝春秋
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次の話を読む25%の社員がペット休暇を取る会社も ペットロスの“悲しみ”の乗り越え方「涙はまだまだ流れるのですが…」

2023.05.26(金)
文=伊藤秀倫