しかめっ面をしている哲代さんを見たことがない

哲代 クラブを50年前に始めたときは、20人くらいおりましたかね。大正琴は当時、300円か400円だったんですけど、これを背負うてあっちこっち行って練習して。今はコロナで発表会はできないんですが、毎週月曜に集まって練習したり、ぜんざいを食べたり(笑)。

木ノ元 ぜんざいのお餅は何個食べるんですか?

哲代 そんなに食べませんよ。2つくらいしか。本気出したら、5つ、6つはいけます。

鈴中 すごいですね。100歳すぎて、5つ、6つって。

哲代 とにかく、みんなで集まることを喜んでいるんです。

鈴中 これは101歳のときに書き初めをしていただいた映像で、「笑う」という字を書かれていますけど、私たちは、機嫌が悪かったり、しかめっ面をしている哲代さんを見たことがないんです。いつも笑顔でほがらかで。

哲代 作ってでも笑顔にしとるんです。

木ノ元 えっ、作ってるんですか?

哲代 昔から、うちの母に「どんなに情けないときでも、とにかく笑顔になって心を笑わせれば、情けないことが飛んでいくけえの」って言われとったもんですから、ずっとやりよります。

鈴中 「笑う門には福来る」で、笑っていたら気持ちが明るくなる?

哲代 そうです。本当にことわざ通りでね。落ち込んでも一生は一生、笑うていても一生は一生。そんならね、笑うて自分の体や気持ちを良いほうに持っていって、一生を過ごしたほうが、自分も周りの人も良いですもんね。

鈴中 ニコニコは伝染しますからね。でも歳を重ねて老いていくのは大変なこともあるでしょう?

哲代 大変なこともあるけれどもね、裏返したらまた良いこともある。表裏一体。何事も表と裏があるんだからね。「裏ばっかりじゃなくて表を常に考えるように」と教わって大きくなりました。

2023.02.04(土)
文=ライフスタイル出版部