世界で初めてのヘアオイルが誕生しました
――プロダクトを生み出すにあたり、こだわりはありますか。
野生の植物を使っている、ということだけでもかなりのこだわりだとは思いますが、梱包用の箱はリサイクルできることが前提で、ヘアケアアイテムのチューブは自然界に存在する素材を使っているので、廃棄する際も地球環境にとって負担にならないように徹底しています。
――数々の植物に触れてきたと思いますが、信頼している植物はありますか?
On The Wild sideの製品に欠かすことのできない「ブナの芽」ですね。とにかくみずみずしくて、芽が持つ生まれたてのパワーがある。
疲れた肌に働きかけてくれて、肌が元気になったなとすぐに実感できるはずです。
上手く言い表せないけれど、生まれたての赤ちゃんも私たちに元気と癒やしを与えてくれますよね!
――11月14日にヘアオイルが発売されましたね。魅力を教えてください。
私は、髪も顔の一部だと思っていて、一刻も早くヘアオイルを生み出さなきゃ! と思っていました。
ヘアオイルは毎日欠かせないもので、使うと髪がサラサラになり、ツヤもアップする。でもほとんどの製品にシリコンが入っていているのが現状。それは髪にも頭皮にも優しくない。本当に体のことを考えるなら、疑問が生じるはずです。
今回発売するヘアオイルは、ベジタブルシリコンを使っています。主要成分である野生のセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)が髪をやわらかくしてくれて、ほんのり甘い香りも心地よいです。
100%、野生の植物成分だけでヘアオイルを造ったのは世界でも初めての試みだと思う。かなりの自信作です。
よーく手で温めて塗布すると、髪が生き生きしているのがわかると思います!
――ちなみに、日本の植物に興味はありますか?
日本だと、白樺が気になりますね。製品に白樺を取り入れているのもあって、フランス以外の白樺にはどんな栄養素があるのか知りたい。北海道とか山梨に行ってみたいですね。
――多忙な日々の中で気をつけていることはありますか。自分自身に負荷がかかったとき、ニュートラルに戻す方法があれば教えてください。
平日はとことん仕事にコミットしますが、週末は家族と過ごします。昔と違って、仕事とプライベートを完全に切り離すようにしました。
口にするものも気にかけていますが、ヨガと瞑想を組み合わせたり、夫がサーフィンをするので一緒に海へ出かけて泳いだり、運動の時間もとるようにしています。
あとは……。月と人は互いに影響しあっていますよね。新月は始まりのサインでもあるから、“不要なものを手放し、新しいスタートを切る日”と決めてリセットするのもいいかもしれません。
――暮らしているフランスでは、コロナ前後で変わったことはありますか。
パリなどの大都市は人々の意識の変化が顕著です。というのも、ヨーロッパは温暖化の影響で干ばつや50度に近い気温になることも増えました。
その経験があるからこそ、他人事ではなくて今すぐにアクションを起こさないと。という意識がすごい。普段の会話がそうなっていますね。
週末のパリは自家用車の乗り入れがNGになったり、自転車や公共交通共機関で移動したりするのがコロナ禍を経て当たり前になってきました。
自分の選択が地球環境にどのように作用するか。というのは皆が意識するようになったと思います。
――フランスの人々の話を聞いていると日本はまだまだ環境問題に対して遅れをとっている気がします……。
毎日使う化粧品、身にまとう服、それらが生まれる背景には環境へのダメージはないのか、また、動物や誰かが苦しんでいないか。という問いに対して、自信をもって大丈夫と答えられる製品を選ぶことから始めてはいかがでしょうか。たとえそれが小さなことだと思ったとしても、まずは一歩、踏み出してみてください。
アン=ソフィ・ナーディ
フランス生まれ。ロレアルやロクシタンといった大手コスメブランドにて経験を積んだあと、独立し「On The Wild Side」をローンチ。「On The Wild Side」のアイテムは、公式サイト、BIOTOP、伊勢丹新宿店 本館地下2階 ビューティアポセカリーで取り扱い中。
On The Wild Side
2022.11.17(木)
文=CREA編集部
撮影=釜谷洋史